17.校庭からも見えたよ
太陽の明るい南側を向けば、東側の海から、西側の山まで見渡せる。
校庭の野営テント、破壊された街、なんとか破壊を
人がいて、国があって、世界が背中の方までつながっている。確かに、成層圏に飛んだ時、地球は丸い
校舎の横に張り出した非常階段だ。屋根はあるが壁がなく、手すり自体がセメント製で
屋上は基本的に立ち入り禁止なので、今日のようにあたたかく晴れた日は、この非常階段で息抜きをする生徒も多かった。普通に授業をしていれば、一年生の教室が三階、二年生が二階、三年生が一階で、最初に最上部を
「お腹、すいたな……カレー、もらっておけばよかったな」
くる途中の駅カフェで買った、ホワイトチョコストロベリーラテを飲み終わって、
どうぞ、と自衛隊の人たちに笑顔で言われたけれど、
だから、非常階段を登ってくる足音に、気がつかなかった。
「あ、やっぱり
ショートカットの
「
「も、じゃないよ。
つい、観察してしまってから、
「う、うん。ごめん。
「んん!
「だって、入学して一ヶ月のクラスで、
「あはは!
「
「一緒にいるから仲良くするのと、一緒にいたくて仲良くするのは、区別してるよ。あ……失敗。もしかして今、感じ悪かった?」
「え? いや、感じ悪いなんてことは、全然……」
「ちなみに
「ええ……?」
なんだろう。ここで
脳内でハードルを上げている
顔が赤くなっているのは、はっきりわかるから、せめてそれで気持ちだけは伝わりますようにと、
あわあわとする
「でも……結局、きちゃった。恥ずかしいんだけどさ。家にいるより、今まで普通にやってたこと、行ってたところ……そういうのが、まだ少し、
「そうだね……。俺も、そんな気持ちだった。なんかモヤモヤして学校まできたけど、ありがとう。いろいろすっきりした、かな」
「んー? なに、
「そうじゃないけど、あの勢いについていけない時、たまにある」
「あはははは! 言い方、ひどーい! ちゃんと仲直りしてよね? あたし、
笑いながら、目を
「まあ、
「そんなわけないでしょ。顔は、そりゃ確かに、むっつりしてるけど」
けれど今度は、
「ねえ、
触れ合った肩に、少し、
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