15.よいお考えです
ダイニングの床に三つ指をついて、
有機生命体を滅ぼそうとし始めた無機生命体、その無機生命体を絶滅させて進化するはずの有機生命体、宇宙の
そんな話をされても困る。
足が
「神さま、どちらへ」
「ちょっと……散歩にでも、行ってきます。ほら、いい天気ですし、
「よいお考えです」
「一人で」
立ち上がった時には、もう
「知ってましたか? 俺、
言い捨てて、逃げるように外へ出る。
財布も電車の定期券も、家の
歩道に人も、車道に車も、ほとんどなかった。
「ウィルスで進化って……まあ、アニメとか漫画なら、あったような気もする、かな」
青空の
怪物を倒した時に崩壊、拡散した、機能を
「新型コロナが、生物兵器の流出って
ついでに、地球に攻めてきたタコ型の火星人が
「ウィルスで病気になって、ワクチンで治して、予防して……俺たちの身体も、その度に少しずつ、変わっていったりしてるのかな」
考えても仕方のないことを考えながら、駅に着いた。
十五分ほど待って、ちょうど次の、高校の
被災者の避難所になっている高校は、今日は、学校指定のジャージ姿をした生徒たちが、意外に多かった。
掃除をしたり、段ボール箱を運んだり、お年寄りを案内したり、みんなで働いている。思わず、ぼけっと見ていると、後ろから頭を
「ええと……
「
「そんな
「別に。家にいてもすることないし、電車の定期券だって、使わないと損だしさ」
「そうそう! あたしは正直、
「グループメッセージで、あたしも俺もって言い始めてたら、なんか黙ってるのも感じ悪いじゃない? まあ、
「うん、いつも通りだね、
肩をすくめた
「
「え? ちょっと! なにしてくれてんの、
「じょーだーん! びっくりした? あ、でも前の半分の、
「いや、もう、後ろ半分が冗談だっただけで、だいぶ残念じゃなくなったよ……ありがとう? なのかな?」
「
「がんばれ、
「そこはお互いに、だと思うよ、
顔を見合わせて、苦笑する。それから
生徒が多い校舎の近くは、申しわけなかったので、校庭の方へうろついた。今は、自衛隊の災害即応部隊の野営テントが
「この学校の生徒さんですね? ちょうど、温かい昼食ができたところです。すぐに配給の準備をしますので、校舎にいる皆さまにも伝えてくだされば、助かります」
自衛官の出てきたテントから、ほどよく香辛料の効いた、
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