10.嘘つきだよ
巨大な脚部の
サーガンディオンの脚部が、各々にアンカーボルトのような五指が地表を喰いしばった。そして
接地していた状態からの、反作用の解放だ。衝撃は最小限のはずだが、市街に地震のような
怪物を抱えたまま、サーガンディオンの
「行っけぇぇぇええええッ!!」
市街を、
一個体となった大質量が、音速域で発生した物理現象の衝撃波さえ吸収して、超常の加速で飛翔した。
「神さま」
「このまま倒す! 今なら……ッ!」
「はい。どんなことも可能です」
宇宙と地球、
怪物の
成層圏には、熱と放射線を
********************
死者も、死傷者も、行方不明者も、見当がつかない。二日を続けて、市街地の広範囲が破壊されて、まだ空が青い午後のティータイムに、
至るところで道路が割れ、崩落し、消防車も救急車も右往左往していた。せめて被害が少なかった海岸に近い方、電車の線路沿いやバイパス道路を、警察や、自衛隊の災害即応部隊が通過していた。
校庭の
「あれ……?
「
「ごめん。トイレ、ちょっと長引いただけ」
人間の記憶は、認識に影響される。途切れる前と後の認識が、相互に記憶を調整する。
「待っていて……くれなくても、良かったのに……」
「方向一緒だろ。それに」
「まだ、コーヒー
「そうだった! あたし、フルーツミックス! 開いてたら駅カフェのアップルマンゴースムージーでもいい!」
「
「じゃあ俺も、そこのカフェモカ・エスプレッソでいいよ」
「
その
背の高さがほとんど同じなので、
「あたし、怖かったな。街が壊れて、人が
「ごめんね。なんとなく、
「い、いや、そんな……」
「こんな時に、男子も女子もないよ。怖くなかったら、
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