9.至高の神さまの分神として
サーガンディオンが、そのまま怪物と組み合った状態で、右腕を二度、三度と、怪物の腹に叩き込む。
怪物も、尾を
水面の向こうに映る、
「神さま、提案があります」
「こ、んな、時に……なにを……?」
「脳を摘出するのはいかがでしょうか」
「は……あぁっ?」
「わたくしとしましたことが、至らずに申しわけありません。遅まきながら体感しております。人間の、
「神さまとしての
「まだそれ言いますかっ? 冗談じゃないです! 幽霊だって人間の形してるでしょう! 恐らくで身体をオマケ扱い、しないでくださいよ!」
サーガンディオンと組み合ったまま、怪物の背中側の
「な……ッ?」
直線投射より、破壊力は分散しているようだ。それでも、サーガンディオンを弾き飛ばしたほどの猛烈な衝撃の壁が、怪物の後方、破壊されていたところと、破壊を
「…………ッ!」
そしてサーガンディオンも、全高が五〇メートルを超える大質量だ。転倒した腕の先が、危うく、民家を破壊しかけていた。
「うぁ……っ」
「神さま、
「そんなこと、言われても……!」
怪物が現れたのは二回目だ。怪物は巨大で、遠くからも確認できる。
だが、倒壊した建造物に巻き込まれて、見えなくなる人が見えていた。怪物が暴れる足元から、聞こえなくなる悲鳴が聞こえていた。サーガンディオンが感知して、
「死んでる……っ! 逃げ遅れた人たちが……たくさん、死んで……っ!」
「
「なんの話だか、わからないよっ!」
サーガンディオンが立ち上がり、怪物に向かって駆けた。怪物を捕まえて、動きを止めなければならない。衝撃波の広角放射も防がなければならない。
「俺が、神さまなら……サーガンディオン! 俺の思い通りに、動いて見せろッ!」
そして怪物も、頭部のような
喰らいついた
無秩序に
頭部の
「神さま。このような行動は、不合理です」
「いかに
「……身も心も、だったよね……?」
「俺は、きっと……いい神さまじゃ、なかったよ……。こんなやり方しか、思いつかないんだ……」
サーガンディオンが、一歩を歩いた。
怪物を両腕で抱えるようにして、攻撃を一身に受けながら、ゆっくりと歩いた。
大きな球状空間を真空に
この怪物は、頭部から尾の
全長を丸ごと包む球状空間を、展開できる場所に着くまで、耐えるしかなかった。
耐えられなかったらお
「ごめん、
外れた。
「……わたくしに、
だいぶ
水面で触れ合った
「わたくし個人としましては、それこそ
光の波紋の熱が、
「一心同体を得た
サーガンディオンの
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