8.俺にできることがあるのなら
今度の怪物は、海に現れた昨日の怪物より大きく、形状も違っていた。
遠目にはゆっくりとして見えるが、出現から移動した距離が、明らかに大きい。形状の印象通り、動きが速い。
あの
多分、もう大勢の人が死んでいる。街に入られたら、もっと死ぬ。
意識と無意識が、その身体を動かした。駆け出そうとして、振り向いた顔が、
長い黒髪の
「うぉわっ! し、
ここは一年生の教室で、
「神さまの、わたくしを求める心を受け取りまして」
「だいぶ
「一時的に皆さまの認識から外れるよう感覚介入して、参上致しました。この程度は
「そんな文字通り、ありませんよ」
こんな時でもトンチキに引き込まれて、苦笑する。
教師もクラスメイトも、廊下に出て、
「俺も
「
「別に……自分が神さまとか、信じられたわけじゃないですけど」
「今、ここで、俺にできることがあるのなら」
「わたくしと身も心も重ねて、一心同体になってくださると」
「
「……ええ、まあ。
「なんすか? その
********************
全天周囲の真正面が、空の青を映した。
水面に、
「神さま、直上です」
「こ……のっ! やめろぉぉおおおッ!!」
眼前に拡大していく怪物に、
水晶のような多数の
その背中に向かって、落下していた。
鋼鉄を束ね合わせ、組み上げたような
激突の
巨大な怪物を覆い尽くす、猛烈な衝撃の壁が、サーガンディオンの一撃を
「く……ぅああ……っ!」
「体勢を制御します。お任せを」
「え? ちょ、ちょっと待……! …………っっ!」
多分、その
サーガンディオンと怪物は、サーガンディオンが街の中心部を、怪物が
街の中心部を超えた海沿いには、
「守ら、なくちゃ……いけないんだよ……ッ!!」
サーガンディオンが、
どんな感覚器官があるのか、怪物も呼応して四肢をたわめた。一瞬の後、
サーガンディオンが踏み込み、
それでもなお踏み込んで、右腕を、
怪物の短い首の先、頭部のような
「させるかぁぁあああッ!」
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