3.わたくしにできる限りのことを
と言うより、今時は
だから
「え……? サー……なに……?」
「
「ですので、
「ええ……? なんか急に、アニメみたいなネーミング……」
「神さまの御趣味です」
「神さまに、趣味なんてあるんですか?」
「それはもう、全知全能ですから」
「この宇宙に存在する、ありとあらゆる
「全知全能って、そういう意味じゃ……うわっ!」
水面は乱れない。全天周の外部映像と、
身体が投げ出されたり、首が折れそうな勢いでないだけ、
トンチキ美人の
無秩序に
「ちょ、ちょっと待って! ええと、その……
「
怪物は待たなかった。今や、はっきりとした生物的な敵意を見せて、五本に増えた
外部映像の衝撃が、少し遅れて水面空間、
「うぇ……っ! ど……どうしろって言うのさ……っ!」
「わたくしもサーガンディオンも、神さま、あなたの
「具体的には……?」
「わたくしと一心同体に、身も心もゆだねてください。やわらかく、溶け合うように、さあ」
「ごめんなさい! 俺、もう他に好きな人がいるんです!」
「そんな肉欲混じりの
「男子高校生にはキツい一言ですっ!」
性的欲求は、恋愛感情の不純物なのか。
おおむね全男子を代表した無駄な抗議は、だが一時、保留となった。
怪物の、
わずかに遅れて、怪物が
サーガンディオンが振り上げた
「神さま」
「な、なに……っ?」
「お名前を」
「え……? か、
「それはそれとしまして。この場合、武装の
「はぁあっ?」
思わず、正気を疑う声が出た。
「わたくしとしましては、神さまの御趣味に、全力で
「どうでもいいですよっ! 今、そういうの、多分っ!」
続けて大声を出したことで、腹が呼吸する。どうでもいい思考をはさんだことで、嫌悪感に
「あ……駄目だ! これじゃあ……っ!」
切り裂いた空間振動の
被害が、止められていなかった。
どこまでが
「
「一心同体は」
「それはちょっと置いて! 検討だけ! 考慮だけ! とにかく
「……やむを得ません。
それでも
「今、ここで、わたくしにできる限りのことを」
サーガンディオンが両腕を、やはり同じく、翼のように広げた。怪物の
水面の、
「こん……ちく、しょおぉぉおおッ!」
サーガンディオンの
「神さま。必殺技くらい、それらしい感じの」
「本気の無茶振りやめてぇぇぇえええっ!」
大きく切り取られた球状空間の真空に、認識が追いつくように、空気と海水が流入した。ひとしきり暴れて、やがて元の空と海になった。
足元に
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