灼く紅葉
灼く紅葉
頬打つ温度
ジリジリと
今さら気付く
愚か加減に
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「あんたは、バカかっ!」
悪友に頬をぶたれて、僕は目を白黒させた。
「先輩より先に告白したかった? それなら、それ以上にちゃんと言葉をかけるべきでしょうが! 変に距離おいてさ・それなら先輩からの告白、受けるな!」
「いや、違う……僕はそんなんじゃ……」
「そんなんじゃなかったら、何だって言うの! 先輩が、どんな気持ちで告白したのか、分かってるの?! 卒業するまでの間に、先輩は答えを出そうと踏み出したんじゃん。残りの時間に向き合いたいって。何度も、相談を受けたよ。私、言ったよね? 先輩を好きになるのは構わない。それは、お互いの問題だから。でも――先輩を泣かせたら、絶対に許さない。そう言ったでしょ……」
悪友は誰よりも先輩を慕っていた。
だから、告白を受けた時も悪友は〝あんたで良かった〟って。そう言ってくれたのに。
僕は、まだ全然、本当の気持ちを先輩に言えていない。
唇を噛む。
頬が、じんじんして痛い。
――馬鹿だった。
僕は、言葉に何もしていない。
行動すらできていない。
ありったけの気持ちばかりが、燻って。
落ち葉がただ、積もるに身を任せて。
1枚1枚の葉が、ただただ重い。
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