灼く紅葉

灼く紅葉

頬打つ温度

ジリジリと

今さら気付く

愚か加減に




________________



「あんたは、バカかっ!」


 悪友に頬をぶたれて、僕は目を白黒させた。


「先輩より先に告白したかった? それなら、それ以上にちゃんと言葉をかけるべきでしょうが! 変に距離おいてさ・それなら先輩からの告白、受けるな!」


「いや、違う……僕はそんなんじゃ……」


「そんなんじゃなかったら、何だって言うの! 先輩が、どんな気持ちで告白したのか、分かってるの?! 卒業するまでの間に、先輩は答えを出そうと踏み出したんじゃん。残りの時間に向き合いたいって。何度も、相談を受けたよ。私、言ったよね? 先輩を好きになるのは構わない。それは、お互いの問題だから。でも――先輩を泣かせたら、絶対に許さない。そう言ったでしょ……」


 悪友は誰よりも先輩を慕っていた。

 だから、告白を受けた時も悪友は〝あんたで良かった〟って。そう言ってくれたのに。


 僕は、まだ全然、本当の気持ちを先輩に言えていない。

 唇を噛む。

 頬が、じんじんして痛い。


 ――馬鹿だった。

 僕は、言葉に何もしていない。

 行動すらできていない。

 ありったけの気持ちばかりが、燻って。

 

 落ち葉がただ、積もるに身を任せて。

 1枚1枚の葉が、ただただ重い。


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