心理テスト

《ヒカリ視点》


「心理テストの本を買ってみたんです!」


 私はじゃ〜んと心理テストの本をひけらかす。


「へぇ〜、面白そうだねー!」

「問題出してみても、よろしいですか?」

「うん、いいよ〜」

「では行きますね」


問題1 あなたは目の前のバケツに水が入っています。さて、どのくらい入っている。


 これは水の量が多ければ多いほど、欲求不満……らしい。


「さぁ、どうですか?」

「う〜ん、満タンかな?」

「満タン!?」

「え? うん……まぁ」


 そ、そんな……。あんなに夜はイチャイチャしてるのに欲求不満!? あ、あれ以上、必要なのだろうか……? 


「か、身体が持たないですぅ///」

「──え?」



第二問 納得が目の前においてあります。さて、そのネバネバ度は何パーセント?



 これは恋愛における倦怠感けんたいかんの心理テストだ。高いほど倦怠感が強いということになる。


 ナギサ君なら0%なはず!


「どうですか?」

「うん、めっちゃネバネバ!」

「めっちゃ飽きられてます!?」

「え? 何が?」


 そ、そんな……。いえ、次の問題で挽回してみせます!




問題3 うっかりアイスがとけてしまいました。全体の何%とけてしまった?


 このパーセンテージはパートナーの浮気願望率を示しているみたいだ。


 ナギサ君なら多くても数%なハズ……!


「う〜ん、全部かな〜?」

「──全部!?」

「うん、全部!」


 ナギサ君は清々しいほどの笑顔でそう言い切った。


「うわ〜ん! ナギサ君の浮気モノ〜!」

「なんで!?」





「すみません、ちょっとびっくりしちゃいました……」

「うん、まぁ、でも所詮しょせん心理テストだからね。気にしない、気にしない」


 ナギサ君は、優しく抱きしめて、私の頭をなでなでしてくれている。えへへ、嬉しい///


 その後、ナギサ君はパラパラと本をめくった。


「あっ、これ、心理テストの他にも恋愛テクニックみたいなのも書いてあるよ?」

「あれ? そうなんです?」

「うん、面白そうだから、ちょっと試してみてもいいかな?」

「はい、ぜひお願いします……!」

「じゃあ、ちょっとこっちの壁に来て〜」

「?」


 私が壁に寄ると、急にナギサ君が私の顔の横に、ドンっと手を押し出した。


 も、もしかして壁ドン!? 私の胸がドキリとする。


 そしてもう片方の手で、私のアゴをクイッとする。


 アゴクイ!? さらにドキリ。


「なぁ、ヒカリ……。俺のモノになれよ」

「は……はぃぃ///」


 さらに口調を変えて追い討ち……! 普段とのギャップに胸のドキドキが止まらない……。


「も、もう限界ですぅ///」


 私は咄嗟にナギサ君から逃げようとすると、後ろから抱きしめてられた。


 バ、バックハグ!?


「もう離さないって言ったろ? ヒカリ」


 耳元でそう囁かれて、私の脳はオーバーヒートした。


「もうらめぇ///」





「どうだった? ヒカリちゃん?」

「もう、胸が張り裂けそうでしたよ///」

「そっか! それはよかった!」

「よくないです……!」

「え?」


 私はナギサ君の頬をがっしりと掴む。


「男性用恋愛テクニックの他にも、女性用恋愛テクニックも書いてありました」


 私はにっこりと笑う。


「へ、へぇ〜……」

「全部、試すまで今日は寝かせません♡」

「えええええ!?」


 


「ふふっ、どうでした?」

「もの凄かったよ……がくっ」

「ふふっ、ごちそうさまです♡」







 















 

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