ボクの実家へGO!
「ただいまー」
「お邪魔します」
ボクはお盆に、ヒカリちゃんを連れて実家へ帰ってきた。
するとトテトテと、中学生の妹の
「お帰りー! お兄ちゃ──ん!?」
ボクの隣のヒカリちゃんを見て、ウミは固まった。
「天王寺光莉です。お兄さんとは、お付き合いさせて頂いてます」
ペコリとヒカリちゃんが頭を下げた。
「こ、恋人!? お、お、おかーさーん!?」
ウミが血相を変えて、母さんを呼びに行った。
先に彼女を連れてくるって連絡しとけばよかったかな……?
♢
「改めて紹介するよ。こちら、ボクの恋人のヒカリちゃんだよ」
「ヒカリと申します。よろしくお願いします」
「うふふ、ナギサ君が女の子を連れてくるなんて、お母さん、びっくりしちゃったわぁ」
母さんはにっこにっこの笑顔でお茶を出してくれた。
「…………」
対してウミは何やら、不機嫌そうに黙っている。
「ありがとうございます。お義母様」
「あら、お義母様だなんて、なんだか嬉しいわね!」
「ナギサ君とは結婚を前提に、お付き合いさせて頂いています」
「もう結婚を考えているの? まだ少し気が早いんじゃないかしら?」
「もうボクは、天王寺さんのウチに結婚の報告をしに行ったんだ。向こうも
「て、天王寺ってあの“天王寺”かしら!?」
母さんが目を丸くする。
「うん、その“天王寺”だよ」
「…………」
母さんは少し沈黙した後、こう言った。
「今すぐ結婚なさい! ナギサ君!」
「──母さん!?」
目が¥マークになっていた。全く、現金な……。
♢
《ヒカリ視点》
お義母様に盛大に歓迎され、夕食を頂いた後にお風呂に入らせてもらう。
身体を洗い、お湯に浸かり、ふぅと一息。
「ナギサ君のお義母様には認めて頂いたけど、妹さんとはあまり打ち解けられませんでしたね……」
そこだけが唯一の心残りだった。
急にガラガラとお風呂のドアが開いたかと思うと、妹のウミさんが服を脱いで入ってきた。
「あ、あの? 入って……ますよ?」
「アタシはまだ認めてないよ……」
「え?」
「お兄ちゃんとの結婚」
「そう……ですか。いきなりでしたものね……」
ウミちゃんはそのまま身体を洗いながら、質問を投げかけてきた。
「お兄ちゃんとの
「幼稚園の時です……ね」
「え? ってことは幼なじみ?」
「はい、その時に結婚の約束をしたんです」
「お兄ちゃんがいつも言ってた約束の人……?」
「は、はい……」
「そっか……。子供の頃の約束をお互いずっと信じていたんだね。アタシがちっちゃい頃に『お兄ちゃんと結婚するーっ』て言っても『ボクにはもう先約がいるんだ』って、よく突っぱねられたなぁ」
ふふっと自嘲するウミさんは身体を流し、そのままお風呂に対面に浸かってきた。
「あの、私、上がりましょうか?」
「ううん、もうちょっと話してもいい?」
「はい、いいですよ」
「お兄ちゃんのどんな所が好きになったの?」
「はい、数え切れないほどにたくさんあります──」
私はずらっと、百個ほど好きな所を述べた所で、ストップをかけられた。
「わ、わかった! わかった! ヒカリさんがお兄ちゃんの事を本当に好きなことが分かったよ!」
「まだまだありますよ……?」
「ふふっ、本当に好きなんだね」
ウミさんの頬には、いつのまにか笑みが浮かんでいた。
「はい、とっても大好きです!」
「うん、これならお兄ちゃんを任せられる。よろしくお願いするね、“ヒカリお義姉ちゃん”」
それを聞いた私は、嬉しくなってつい口元が緩んだ。
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね、ウミさん!」
「ウミでいいよ! それより──」
ウミは私の胸を凝視する。
「ヒカリお義姉ちゃんって、おっぱい大きいよね! 何カップ!? それとそれと──」
「えーとですねー!」
その後、延々とガールズトークをして、2人でのぼせてしまい、ナギサ君に心配されました……。
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