酔っ払い その2
「それよりナギサぁ……」
「何ですか?」
酒でほてって、妙に色っぽい先生がボクに呼びかける。
「ちょっと来てみー?」
「?」
ちょいちょいと呼ばれたので、ボクが先生に近づくと──
「今日はありがとうー、ナギサぁ♡」
と言って、いきなりボクに抱きついてきた。
「────!? い、いきなりなんですか!?」
「うーん、かわいいなぁ、お前はー!」
ほっぺをボクになすり付けてくるというおまけ付き。酒臭いのでやめていただきたい。
「あー! ナギサ君に何やってんですか!? 先生ェ!」
急いでヒカリちゃんが、ボクを先生から引き離す。
「えー? ちょっとくらい貸してくれてもいいじゃんかよぅ……」
「ダメです! ナギサ君は私のものなんですから、1mmも貸しません!」
「ケチィ……」
その後、先生の様子を見て、だいぶ酔いが覚めてようなので、ボク達は帰ろうとする。
「いや、本当に助かった。すまんな。これはほんの礼だ。持って行ってくれ」
そう言って先生はウィスキーボンボンと食べかけのスルメをくれた。あ、まだ酔ってるなこれは。
「ありがとうございます。お酒はほどほどにして下さいね。せっかくの綺麗なお顔が台無しですよ?」
「う、うるさいな/// き、気をつけて帰れよ」
「ご自愛ください。では」
ボクは扉をゆっくりと閉める。
「全く、ナギサの奴め……。綺麗な顔……か。ふふっ、嬉しいことを言ってくれる」
♢
せっかくなので、家に帰ってウィスキーボンボンを2人で食べてみる。
「んー、口の中でジュワッとアルコールの風味が広がるね〜」
「確かにそうですね〜。大人の人はみんな、ビールとか美味しそうに飲んでますよねー」
いつかビールを美味しく飲める日が来るのだろうか。そんなことを思っていると、ふとヒカリちゃんの顔が赤くなっているのに気がついた。
「ヒック……」
「え?」
「ナギサくーん♡」
「うわー!」
ヒカリちゃんがいきなり抱きついてきた。
「あー、先生の匂いがしますぅ……。らめれすよぉ、私の匂いに上書きしないとぉ……」
「ヒ、ヒカリちゃん?」
そういえばウィスキーボンボンでも、酔ってしまう人がいると聞いたことがある。
「んー♡」
「んんっ!?」
ガシッとつかまれ、容赦なく口を
「うー、熱いですね……」
「──!?」
そのままヒカリちゃんはガバッと上下の服を脱ぎ、そのまま下着姿になった。
ピンクのフリフリの可愛らしい下着が、ほてった頬と相まって、とても
「ひ、ヒカリちゃーん!?」
「ふふっ、今日は寝かせませんよ? ん……ちゅ……」
ただでさえ、キスの大好きなヒカリちゃんが、酔って歯止めが効かなくなる。
口、顔、耳、首筋、いたるところにキスをされる。
「ううっ……ヒカリちゃん……」
「ふふっ……」
「は、早く、酔いが覚めてー!」
「ナギサくん、しゅきぃ♡」
「うわーー!」
♢
「おはようございます、ナギサ君」
「おはよう……ヒカリちゃん……」
僕たちはベッドの上で挨拶をする。昨夜は大変でした……。
「あれ? ナギサ君、顔にキスマークがすごい付いてますよ?」
「え? うそ!?」
ボクは鏡で確認すると、そこには顔中にキスマークができていた。
「なんでそんなにキスマークが?」
ヒカリちゃんは小首を傾げる。
「昨日の夜のヒカリちゃん、激しかったよ……」
ボクはポツリと漏らす。
「え///」
「あはは……、学園で絶対、冷やかされるやつだコレ……」
「お、覚えてないけど、ごめんなさーい!」
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