部活動!その2
二手に分かれて、募金活動をすることに。ボクと先生、ヒカリちゃんとレンのグループに分かれた。
「先生、なんでこの組み方にしたんですか?」
ふと気になったので、先生に聞いてみた。
「ヒカリとレンがいたら、男共がそっちに目移りするだろ? 先生、目立てないじゃん?」
「ごもっとも……」
「だれが年増だって!?」
「そこまでは言ってませんよ!?」
残念な会話をしつつ、募金活動に精を出す。
「環境保護への募金、お願いしまーす!」
すると大学生くらいの女の子2人がこちらに目を向けて、立ち止まった。
「ねぇ、あの子、可愛いくない?」
「うん、ちょっといいね……」
そして、ボクの前にきて、小銭をチャリンと2人で入れてくれた。
「ご協力、ありがとうございます!」
「ふふっ、頑張ってね?」
「はい、頑張ります!」
「ふふっ、かわいい……」
満足気に2人のお姉さんは去って行った。
すると先生は不機嫌そうにこう言った。
「あん? お前がモテてどうすんだ?」
「いや、知りませんよ……」
「はぁ……、誰かこの可愛らしいピチピチの先生、貰ってくれませんかー?って大声で言ってみようかしら……」
「確かに募金してくれるような、慈愛のある人なら可能性はあるかもしれませんね!」
「イヤミか貴様ッッ!」
♢
《ヒカリ視点》
「この辺りは人がまばらですねー」
「そうであまりますねー。もう少ししたら帰宅する人も増えると思うでありますー」
私は改めてレンさんを見る。うっ、可愛い……。さっきナギサ君に抱きついていたし、もしかして彼のことを……。
「あのー、レンさんはナギサ君とは、どのような関係なんですか?」
つい思わず聞いてしまった。
「“ナギサ殿”は、レンにとっての“親友”でありますよー!」
「なるほど、“親友”……ですか」
「はい! 恋愛対象ではないから安心して欲しいでありますよー!」
バチっとウィンクを決めるレンさん。
「そ、そうですか……」
私はほっと胸を撫で下ろす。
「でもヒカリ殿は幸せ者でありますなぁ」
「なぜです?」
私は首を傾げて、尋ねた。
「以前、ナギサ殿に告白したことがあるであります」
「え!? そ、それでどうなったんですか!?」
私は食い気味で質問する。
「そしたら真面目な顔で『気持ちは嬉しいけど、ボクは大人になるまでは誰とも付き合うつもりはないんだ。幼なじみとの約束だからね』だそうであります。幼稚園の頃の約束なのに、すごいでありますよ」
「あっ……」
初めて知った。転校前に、下調べでナギサ君に彼女がいないことは分かっていたけれど、告白されても誰とも付き合うつもりはなかっただなんて……。
「ナギサ君……」
本当に約束のことを大事にしてくれていたんだと思うと、胸がじんと熱くなる。しかも、こんな学園でもトップクラスに可愛い女の子を振ってまで……。
うん、帰ったらたっぷりとキスをしよう。そうしよう。
「だから、そんな素敵な約束を果たした2人のカップルを、レンはとってもお似合いだと思っているでありますよー!」
「レンさん……」
レンさんは、本当にいい人だ。少しでも、ナギサ君にひっつく女だと嫉妬してしまった自分が恥ずかしい。
「だから、結婚式にはレンも呼んで欲しいのでありますなぁ。友人代表スピーチ、一度でいいから、やってみたかったであります!」
「はい、ぜひ!」
私はすっと、手を出す。
「む? 握手でありますか?」
私の手を握り、ぶんぶんと手を上下に振るレンさん。
「これからも、よろしくお願いしますね、“レン
”」
「こちらこそよろしくであります! ヒカリ殿!」
「はい!」
ふふっ、ナギサ君にとっても、“私にとっても”大切な友人ができました!
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