部活動!その2


 二手に分かれて、募金活動をすることに。ボクと先生、ヒカリちゃんとレンのグループに分かれた。


「先生、なんでこの組み方にしたんですか?」


 ふと気になったので、先生に聞いてみた。


「ヒカリとレンがいたら、男共がそっちに目移りするだろ? 先生、目立てないじゃん?」

「ごもっとも……」

「だれが年増だって!?」

「そこまでは言ってませんよ!?」


 残念な会話をしつつ、募金活動に精を出す。


「環境保護への募金、お願いしまーす!」


 すると大学生くらいの女の子2人がこちらに目を向けて、立ち止まった。


「ねぇ、あの子、可愛いくない?」

「うん、ちょっといいね……」


 そして、ボクの前にきて、小銭をチャリンと2人で入れてくれた。


「ご協力、ありがとうございます!」

「ふふっ、頑張ってね?」

「はい、頑張ります!」

「ふふっ、かわいい……」


 満足気に2人のお姉さんは去って行った。


 すると先生は不機嫌そうにこう言った。


「あん? お前がモテてどうすんだ?」

「いや、知りませんよ……」

「はぁ……、誰かこの可愛らしいピチピチの先生、貰ってくれませんかー?って大声で言ってみようかしら……」

「確かに募金してくれるような、慈愛のある人なら可能性はあるかもしれませんね!」

「イヤミか貴様ッッ!」





《ヒカリ視点》



「この辺りは人がまばらですねー」

「そうであまりますねー。もう少ししたら帰宅する人も増えると思うでありますー」


 私は改めてレンさんを見る。うっ、可愛い……。さっきナギサ君に抱きついていたし、もしかして彼のことを……。


「あのー、レンさんはナギサ君とは、どのような関係なんですか?」


 つい思わず聞いてしまった。


「“ナギサ殿”は、レンにとっての“親友”でありますよー!」

「なるほど、“親友”……ですか」

「はい! 恋愛対象ではないから安心して欲しいでありますよー!」


 バチっとウィンクを決めるレンさん。


「そ、そうですか……」


 私はほっと胸を撫で下ろす。


「でもヒカリ殿は幸せ者でありますなぁ」

「なぜです?」


 私は首を傾げて、尋ねた。


「以前、ナギサ殿に告白したことがあるであります」

「え!? そ、それでどうなったんですか!?」


 私は食い気味で質問する。


「そしたら真面目な顔で『気持ちは嬉しいけど、ボクは大人になるまでは誰とも付き合うつもりはないんだ。幼なじみとの約束だからね』だそうであります。幼稚園の頃の約束なのに、すごいでありますよ」

「あっ……」


 初めて知った。転校前に、下調べでナギサ君に彼女がいないことは分かっていたけれど、告白されても誰とも付き合うつもりはなかっただなんて……。


「ナギサ君……」


 本当に約束のことを大事にしてくれていたんだと思うと、胸がじんと熱くなる。しかも、こんな学園でもトップクラスに可愛い女の子を振ってまで……。


 うん、帰ったらたっぷりとキスをしよう。そうしよう。


「だから、そんな素敵な約束を果たした2人のカップルを、レンはとってもお似合いだと思っているでありますよー!」

「レンさん……」


 レンさんは、本当にいい人だ。少しでも、ナギサ君にひっつく女だと嫉妬してしまった自分が恥ずかしい。


「だから、結婚式にはレンも呼んで欲しいのでありますなぁ。友人代表スピーチ、一度でいいから、やってみたかったであります!」

「はい、ぜひ!」


 私はすっと、手を出す。


「む? 握手でありますか?」


 私の手を握り、ぶんぶんと手を上下に振るレンさん。


「これからも、よろしくお願いしますね、“レン

 ”」

「こちらこそよろしくであります! ヒカリ殿!」

「はい!」


 ふふっ、ナギサ君にとっても、“私にとっても”大切な友人ができました!



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