第3話 みずあそび
私の家にハナちゃんが来て、もう1週間が
あの日から毎日、ハナちゃんはリーフちゃんの
そんなハナちゃんがあまりに
さすがに
そうしたら、ちょっとだけ
ハナちゃんはハナちゃんなりに、どうすれば私が
って、ダメダメ。
ハナちゃんの
「ハナちゃん。朝ご飯を食べ終わったら、私と少しだけ、お話しできるかな?」
「お話?」
「そうだよ。色々と教えて欲しいんだ」
ハナちゃんがどこからきたのか。
どうして、
お父さんとお母さんはどこに居るのか。
聞いておかなくちゃいけないことは
木の実と
「ハナちゃん。ご飯は
「うん! うましだった!!」
「うましだったんだね。それは良かったよ」
「お話って、なぁに?」
「うん。ちょっと、教えて欲しいことがあるんだけど」
「いいよ! 教えてあげるー!」
「ありがとう」
「ねぇハナちゃん。ハナちゃんは、どこから来たの?」
「ん? あっち」
「東の方ってこと? そっちにお家があるの?」
「うん! そうだよ!」
東の方かぁ……。
まぁ、森の外に行ったことが無いから、
「お
「んぅ……」
どういう意味なのかな?
ちょっとだけ泣き出してしまいそうな様子のハナちゃんに心を
「もしかして、道を忘れちゃったのかな?」
「ううん。分かるよ。ニオイ、覚えてるから」
「そっか、ニオイで分かるんだ。
「……」
ダメだ。
ハナちゃん、今にも泣きだしてしまいそうな顔してる。
どういうこと?
お家で何か
だから、家出してきたってこと?
それと、体中の
人と関わっちゃいけないことは、分かってるけど。
ハナちゃんをこのままお家に返してしまうのは、ちょっとヤだな。
って、マズいマズい。
ホントに泣いちゃうよ!
「ねぇハナちゃん! 今日はお仕事を休んで、何か楽しいことしよう! 何かしたい事ある?」
「……?」
……大丈夫かな。
「したいこと?」
「うん」
「……
「へ?」
「あたま、
むぅぅぅぅぅ。
ダメなんだよぉ。
「ね、ねぇ、ハナちゃん。ほら、私はハナちゃんに
「ママはいつも、
それはママだからね!?
私はハナちゃんのままじゃないし。
たしかに、
心の中で自分に言いワケをしてみても、ハナちゃんに伝わるワケがない。
何もできないでいる私を見て、
「は、ハナちゃん! 泣かないで! ゴメン。ごめんだからぁ!」
私はそう
泣きわめくハナちゃんを、ベッドシーツが
そんな様子を、ただ見ているしかできない私。
きっと、ハナちゃんは
たった一人でこんな森の
心細かったんだ。
それなのに私は、何もしてあげることもできずに、見てるだけなんだ。
わたしだって、子供の
あぁ……ダメだ。私も泣きそうになって来ちゃったよ。
そういえば……。母さんは私が
あれはたしか……。
「そっか、川だ!」
「ぅぅぅ…‥?」
「ハナちゃん、今日は川に行って、一緒に
「……みずあそび?」
「うん! ちょっと待ってね、準備するから!」
どうせ行くなら、
さすがに本は
「せっかくだし、お弁当も持って行こう! ピクニックだよ! ほら、皆、準備して!」
その表情が、笑顔で満たされるのが楽しみだなぁ。
そうして、私達は近くの川に出発した。
この1年間は、全く行ってなかったから、久しぶりだな。
でも、浮かれてばっかりじゃダメだ。
ハナちゃんが深い所まで行かないように気を付けないとだね。
ベッドシーツを体に巻き付け、空飛ぶ
それもそのはずだよね。
彼女は私よりも、耳が良いはずだから、もう
「音がするよ!? ざーざーって、音!」
「そうだよ。川だよ」
「みずあそびするの!?」
「うん。いっぱい
「ほぉぉぉ!」
さっきまで泣いてたのが
これで少しは気を
まぁ、私もちょっと楽しみなんだけどね。
父さんに
「入って良い!? ねぇ、入って良い!?」
「いいよ! でも、あんまり深い所にはいかないようにね!」
「うん!」
元気よく返事をしてバシャバシャと川に
一応、ベッドシーツと
今の内に、私は
きゃっきゃとはしゃぐハナちゃんを
そして、右手を川の水に
「一人でするのは初めてだけど……出来るかな」
母さんと何度も
でも、やっぱりちょっと
大事なのはイメージだ。水で形を作るイメージ。
そうすれば、ほら、私の
「ハナちゃん! ほら、こっちにおいで」
「リッタが2人いるぅ!?」
そんな彼女を
私ができない分、分身がハナちゃんを
そう思ってた私は、目の前で水の分身が
「え?」
私の力じゃ、水の分身はまだまだ形を保つのが難しいのかな。
母さんの作ったのは、もう少し耐えてたと思うんだけど。
一瞬そう思ったけど、どうやら違うね。
ハナちゃんが、思い切り水の
その
あれ。もしかして、泣かせちゃった?
「は、ハナちゃん? 大丈夫?」
「しししっ!」
私の心配を
なんだ、笑ってたのね。
なら良かった。
ホッと
「もっかい!!」
「私の分身がはじけ飛んだの、そんなに楽しかった?」
「うん!」
なんか、
まぁ、良いか。
そりゃ楽しいよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます