第6話 炎色反応
俺は一つの砂時計を │ 私は一つの人生を壊
壊す。 │ す。
壊した後、二つの世 │ 壊す前、世界が黄色
界が合わさるような俺 │ い光に包まれる。太陽
にしか見えない黄色い │ の暖かい光を浴びてい
光が地球を包む。 │ るような。
そして俺の目の前に │ そして私の目の前に
は。 │ は。
好きな人がいる!
「ひらっ!」 │ 「瑠希っ!」
ひらは橋の上から落 │ 瑠希は私の落ちると
ちて来たのでキャッチ │ ころにいたから抱きつ
しようと両手を拡げ │ つこうと両手を拡げ
る。 │ る。
そして俺達が合わ │ そして私達が合わさった瞬間。 │ った瞬間。
ま
る
で
ひ
ま
わ
り
み
た
い
な
花
火
が
真
横
に
大
き
く
咲
い
た
゜
───────────────────────
俺はひらを無事につかむ。しかし態勢を崩してしまい俺は倒れる。
「瑠希、大丈夫?」
そう言ってひらは俺の腕を掴み引っ張る。
「ありがとうひら」
「うん」
「ねえ、ひら」
「ん?何?」
俺は今更あることに気づく。
「喋ってるじゃん」
「あれ?ホントだ。なんでだろ」
ひらは少し涙目になってることに気づく。
「それとさ」
───────────────────────
「何で死のうとしたの?」
私は瑠希に訊かれたくないことを訊かれる。
「だって、瑠希は私のせいで居なくなっちゃったと思って……」
私は段々と泣く。
「私が死ねば、瑠希と同じ立場になれるって思って……」
私は瑠希の身体で泣く。
「……ごめん、ホントにごめんね。ぜんぶ私の自業自得だから」
───────────────────────
「もういいよ」
俺は泣いてるひらに向かって優しく言う。
「俺が全部悪い。ていうかもうこんな過去全部忘れよう。過去じゃない今が大切なんだ」
「……瑠希」
そして俺は過去を捨てるために。
「ひら」
───────────────────────
私は名前を呼ばれたので顔をあげる。
「俺とひら。もう一度友達になってくれない?」
友達……。
私はこの言葉を貰った瞬間、パッと急に花が開花したように笑顔になる。
「うん!」
───────────────────────
するとひらはポケットからあのキーホルダーを出して俺に欠けた1つを渡す。
「あげる」
「え?俺が持ってていいの?」
ひらは歯を出して笑いながら「うん!」と言う。
「もう壊さないでよね」
俺はそのキーホルダーから目を離しひらの目をちゃんと見る。
﹁
あ
あ
、
も
う
何
も
壊
さ
な
い
゜
﹂
そしてまた花火が轟く。
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