第16話 獅子少年はやっぱり何も考えない

「······兄上」

「お兄様······」


二人ともきれいなぎんいろの毛並みなんだ。

かわいい弟と妹なんだよ。


「行ってしまわれるのですか?」


ちかよってきたのはレオノラだった。

黒い目がこっちを見る。

もうすぐつがいこうほができるって言ってた。


「うん!行ってくるな!」

「······」


レグルスはなにも言わずに腕をくんでる。

あ、あのぽーずかっこいいかも。


「レグルスー!行ってくるなぁ!」

「······好きにすればいい、頭の悪いあなたの居場所なんて、この家にはないんですから」

「ッレグルス!あなたなんてことを······!」


?あいかわらずレグルスの話すことはむずかしーな。

でもオレが頭悪いのは本当だ。

むかしはそうじゃなかったっていしゃが言ってたけど、よく分からん。


「お兄様は私たちのために······」

「それが迷惑だって言ってるんだ!」


ふたりがまたケンカした。

オレのせいだ。

困っていると、迎えがきたらしいってわかった。


「レグルス、レオノラ、オレそろそろ行かねーといかないから!なんだっけ······長いおやすみ?に帰ってくんな!」


ニカって笑って言ったら、ふたりが変な顔をする。


「······ふん」


レグルスは後ろを向いた。


「行ってらっしゃいませ、お兄様」


レオノラは頭を下げた。


「おー!行ってくんな!」


だから、その頭をぽんってなでた。


***


「ん!なんか甘い!」

「はは、嬉しそうだね」

「うん!あまいのは好きだ!弟が!」

「······弟君が好きなんだね、羨ましいよ」

「?ちがう!レグルスがオレのことを好きなんだ!」

「え、そうなの?」

「うん!いつもねごとで「おにいちゃんごめんなさい」って言ってる!」

「······なんか闇をぶっ込まれたんだけど······ま、いいや。とりあえずお名前をどうぞ」

「オレか?オレは······」


一瞬かんがえて、言えって言われたとおりにすることにした。


「ラパン・レオンハートだって言えって母さまが!」

「······ああ、例の」


目の前のやつがへんなかおをした。


「部屋は······はい、どうぞ」

「ありがとう!どこだ!?」

「あー······太陽のところに行って、そこら辺の上級生に聞いてみて?新入生でもいいけど、多分わかると思うし」

「わかった!太陽だな!」

「うん、そうだよ、金色のとこ······ラパンくん、ようこそアヴァドラ魔法学園へ」

「うん!邪魔するぜ!世話になる!」


オレはカギをもらって指さされた方にいく。

ふふん、ちょっと楽しみだな!


***


「······あの子が、の······」

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