第37話 1.3.11 幼なじみとのアキバデート②
俺は公募を書いていた。
俺は凛先生のラブコメを見習って複数視点で書いていた。
主人公視点、初恋の彼女視点、義妹視点である。
これにはメリットがあった。
それは同じ内容のストーリーを使い回せるので労力が少ないこと、違う視点にすることでそのキャラの心理描写を細かく表現できることだ。
例えばキスするときに主人公が何を思っていたかヒロインが何を思っていたか描写でき1粒で2度おいしいのだ。
公募は3万字まで書いた。
皇ファンタジー大賞に出すまであと7万字だった。
☆
俺と瑠夏はアニメイト、ゲーマーズ、メロンブックスをハシゴして少し疲れたのでメイド喫茶で休憩しようということになった。
「おかえりなさいませ、ご主人様、お嬢様!!」
メイド喫茶に入るとそんな決まりきったセリフが言われる。
やはりメイドさんは可愛い、そしてエロい。
ガーターベルトの絶対領域が眩しかった。
「コウく〜ん? 私というかわいい彼女がいるのに何メイドさんに鼻の下伸ばしてるのかな?」
「なっ……。鼻の下なんて伸ばしてないぞ」
嘘である。
メイドさんのガーターベルトに心を奪われていた。
「もううちの彼氏は本当エッチなんだから」
「お嬢様ちょっといいですか?」
「はい、何ですか?」
「今、メイドの体験会をしているのですがやっていきませんか?」
「やります」
即答だった。
瑠夏のメイド姿か……。
想像したら俄然楽しみになってきた。
そして別室で着替えた瑠夏が戻ってきた。
瑠夏のメイド姿を見た俺は心に強い衝撃を覚えた。
可愛い。可愛いって言葉で言い表せないほど可憐だった。
少し気の強そうな女の子が恥ずかしそうにメイド服に身を包みご奉仕してくれる、極上のおもてなしだった。
この子のことが好きだ、改めて俺はそう思った。
「コウ君、少し恥ずかしいけどメイド服着てみたよ。どうかな、私、かわいい?」
「……」
俺は瑠夏のあまりの可愛さにしばらくフリーズしていた。
「コウ君? 聞いてる? おーい。」
「……ハッ!! かわいい、超かわいいよ瑠夏」
「えへへ。本当?嬉しいよ」
「かわいすぎて言葉が出なかった。似合ってるよ瑠夏」
「えへへ、コウ君ありがとう。……コホン。ご注文はどうなさいますか、ご主人様?」
ご主人様!? ご主人様!?
瑠夏に奉仕されてるみたいでドキドキした。
瑠夏との交際は毎日ドキドキだった。
それでも飽きることなく瑠夏に対しドキドキし毎日が新鮮だった。
いとしいなと思った。
好きだと思った。
愛してると思った。
俺はこの子のことが好きだこの世界の中心で叫びたい気分だった。
「カフェラテで頼む」
「承知しました、ご主人様」
そう言って瑠夏がウインクしてきた。
俺はそのウインクに完全に心を奪われた。
この子はどれだけ俺をドキドキさせたら気が済むのだろう。
しばらくして瑠夏がカフェラテを持ってきた。
「ご主人様、おいしくなるおまじないしますね」
「おまじない?」
「おいしくなーれ。おいしくなーれ。萌え萌えキュン♡」
またもや俺はその言葉に心を奪われた。
萌え萌えキュンの部分で恥ずかしそうにハートマークを作っているのも俺的にポイントが高かった。
☆
瑠夏という最高のメイドさんにご奉仕してもらって満足した俺は瑠夏とともにゲームセンターに向かった。
艦船を擬人化したゲームだ。
もともとスマホゲーのシューティングゲームだったが最近、アーケード版が出た。
実際に舵を動かしたり戦速を変えたりでき本当に艦船を動かしている気分になってくる。
我、夜戦に突入すというモードに入るときが一番テンションが高くなる。
夜戦は簡単に言うと時間内に敵を撃破できなかった際に行えるエクストラクエストのことだ。
蒼海戦線は100円で1枚カードがもらえる。
高雄と愛宕が出てくると当たり確定演出なのだが今回何と二人が出てきた!!
俺は期待してしまう。
高雄中破だった。
大当たりだった。
「やったああ!!高雄中破GETだー!!」
「おめでとう、コウ君。」
ちなみに艦船は小破、中破、大破すると服が破れていきあられのない姿になる。
今回は中破なのでそれはけしからんイラストになっていた。
次に俺たちはホッケーゲームをした。
「コウ君、何か罰ゲームしようよ」
「例えば?」
「負けた人は勝った人の命令をなんでも1つ聞くってのはどうかな?」
なんでも……!?
瑠夏になんでも命令できるということか……!?
俺はエロい妄想が止まらなかった。
「よしっその罰ゲーム乗った!!」
そして俺は鼻息荒く勝負に挑んだ。
結果としては8対10で俺の負けだった。
「コウ君じゃあ命令を言うね。……私とキスして」
「瑠夏とのキスなら俺だって願ってもない状況だけど……本当にその命令でいいのか?」
「うん。私はコウ君とキスがしたい」
そして俺たちはキスをした。
だが素直に口づけだけを交わす瑠夏ではなかった。
瑠夏の舌が俺の口の中に侵入してきたのである。
絡み合う舌と舌。
深い深いキスだった。
正直言うととても気持ち良かった。
瑠夏と心と身体を1つにしたような感覚がした。
「えへへ。初めてだよね、ディープキス……」
そう言って微笑を浮かべる瑠夏は無邪気な女の子ではなく大人な女性の顔をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます