第34話 1.3.8 幼なじみとの遊園地デート
俺は新作に取りかかっていた。
新作はラブコメ要素多めの異世界ファンタジーである。
なぜ異世界ファンタジーを選んだのかというと小説投稿サイト『シトラス』で最も多く読まれているのが異世界ファンタジーだからだ。
PVでKやMを見てみたいという欲があった。
そのために1ヶ月間毎日投稿しようと決意した。
1ヶ月間つまり30話書きためなければならない。
30話も書いたことはなくまさに未踏の地への挑戦だった。
自分が1番多く書いたのが1作目のラブコメで24話だった。
結局、30話書くのに3ヶ月かかってしまった。
☆
今日、俺は瑠夏と遊園地デートだった。
駅前で待ち合わせだった。
隣りに住んでるなら一緒に行けばよいのではないかという意見もあるかもしれないがそれだとデートの雰囲気が出ないと瑠夏が言うので待ち合わせにした。
「だーれだ?」
そのとき突然俺の目が誰かの手によって隠される。
こんなことするやつは1人しか知らない。
そうこの背中に当たる幸せな感触は……。
「その声、瑠夏か?」
「ピンポン! ピンポン! ピンポーン!!」
今日の瑠夏もピンクと黒の地雷系のファッションをしていた。
「その服、似合ってるぞ、瑠夏」
「本当? 今日の私、かわいい? かわいい?」
「ああ、世界一かわいいよ」
「やったああ!! 嬉しい!!」
世界一かわいいという言葉がよほど嬉しかったのか瑠夏は終始ニコニコしていた。
俺たちはその後、徒歩で遊園地に向かった。
「入場料、俺が払おうか?」
「え·····?いや、いいよ、割り勘で」
「本当か。助かる」
普通のカップルだったら男が奢る場面であろう。
だが俺たちは幼なじみで気を使わなくて良かった。
この点はお互いのことを理解し合ってる幼なじみカップルの利点であろう。
まず、俺たちはジェットコースターに乗った。
瑠夏は楽しそうにはしゃいでいたが俺は恐怖で足がすくんでいた。
頂点に登って一瞬止まる瞬間最も緊張した。
そして一気に下降する時間は俺と瑠夏は絶叫した。
瑠夏は楽しそうに俺は恐怖で。
次にお化け屋敷に入った。
絶叫マシンで叫んだばかりなのに瑠夏はそこでも叫びまくっていた。
「キャー!! コウ君、コウ君怖いよ……」
「じゃあ手繋ぐか? そしたら少しは恐怖が和らぐだろ」
「ありがとう、コウ君」
瑠夏と繋いだ手は温かかった。
この子と一緒ならどこにでも行ける、そう思えた。
次にメリーゴーランドに乗った。
「カップルさんですか?」
そうスタッフに聞かれた。
「えへへ、私たちがお似合いのカップルだなんてそんな言いすぎですよ」
瑠夏はスタッフの言葉にとても喜んでいた。
「今、カップル限定で記念撮影をしているのですが撮っていきませんか?料金は1000円です」
瑠夏との記念撮影か……。
悪くない、瑠夏との思い出が増えるなら大賛成だった。
「お願いします」
その後、2人で白馬に乗ってその様子をカメラマンさんに撮ってもらった。
最後に観覧車に乗った。
「コウ君、好きって10回言ってみて」
「え? 好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」
「えへへ、私も大好き」
そう言って瑠夏は俺の腕に抱きついてきた。
俺たちはそうやってしばらくイチャイチャしていた。
「……ねえ、コウ君。この場所覚えてる?」
「ああ、俺たちのファーストキスの場所だな」
「良かった。覚えててくれてたんだね。コウ君のことだからもう忘れちゃってるんじゃないか不安だった。私たちの思い出の場所を覚えててくれて嬉しいよ」
「忘れるわけないだろ。その·····初めての場所だし」
「ね、コウ君、もう1度キスしない?」
そう瑠夏が上目遣いで聞いてきた。
「あ、ああ」
そうして俺たちは軽く口づけをした。
それは時間にして短かったが俺にとっては永遠に思われた。
俺は幸せで心が満たされていた。
改めて俺はこの子のことが好きなんだなと実感した。
俺が守る、俺が一生この子のことを守る、そう誓った。
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