第30話 1.3.4 リーフェ

 幕府。


 将軍を筆頭とする皇国の政権。武人による統治機関。


 将軍の下に執権、三管領家が続く。


 帝国による侵攻後は単なる武人による互助組織となっており政権は新政府に受け継がれている。


 ☆


 詩音ちゃんが異世界に転移してきた。


 異世界でも俺の最推しは可愛い。


 スマホでステータスウィンドウを確認した。


 種類:ライトノベル

 戦力:3000

 レベル:1

 HP:2000

 MP:1000

 攻撃力:200

 防御力:100

 ユニークスキル:不明

 スキル:機槍(B)

 聖剣:機槍アルヴァンス


 詩音ちゃんは聖剣をすでに持っていた。


「詩音ちゃん、その聖剣は·····?」


「機槍アルヴァンス·····番外編で使ってた武器だね」


「ああ、番外編か」


 そういえばキミキセの番外編で『アイドルバトルロワイヤル』というストーリーがあったっけ。


 それで機槍アルヴァンスを使っていた。


「コウハ様、精霊の召喚に成功されたのですね」


「ああ、ライトノベルの精霊だってさ」


「ライトノベルの精霊!? なんとも現代的な精霊ですね。リーフェと模擬戦しますか?」


 リーフェ。


 アスハの精霊。火属性の精霊だ。


 俺のパーティの中で1番剣術スキルが高く聖剣スキルも持っている。


 橙色の髪と瞳をしておりショートカットだ。


 聖剣はパーシヴァルだ。


 これは量産剣でバスターソードと呼ばれるほど長大な剣である。


 ファイヤーブラストというスキルも使える。


「ああ、よろしく頼む」


 こうして詩音ちゃんとリーフェは模擬戦を開始した。


「ハァァァッー!!」


「タァァァッー!!」


 幾度も剣戟けんげきが交わされる。


 驚いたことに詩音ちゃんとリーフェは互角だった。


 いや、剣より機槍の方がリーチが長いので詩音ちゃんの方が有利なくらいだった。


 一姫よりも優秀な精霊だ、詩音ちゃんは。


 これでレベル1なのだからかなりポテンシャルがあるだろう。


「リーフェ、剣術スキル!!」


「了解、剣術スキル!!」


 リーフェが剣術スキルを発動する。


 それからは形勢が逆転する。


「キャアアアー!!」


 詩音ちゃんの機槍が弾き飛ばされる。


 レベル1の詩音ちゃんがレベル80のリーフェと剣術スキルを使う前は互角に戦っていたのだ。


 上出来と言えるだろう。


「詩音ちゃん、お疲れ様。スポーツドリンク飲む?」


「ありがとう、コウハ君。たはは、負けちゃったよう」


 そう言った詩音ちゃんは清々しい笑顔を浮かべていた。


「一姫、インプレッション・シーカー使えるか?」


 一姫もこの模擬戦を見学していた。


「はい、たぶん大丈夫だよ、ご主人様。でも詩音さんは凄いですね。リーフェさんと互角に戦えるなんて。私なんて剣をすぐ弾き飛ばされちゃいますよ」


「アスハとリーフェに見せたいものがある。一姫のユニークスキルインプレッション・シーカーだ!!」


「インプレッション・シーカー?」


「何ですか、そのスキル?」


「まあ見れば分かるさ。·····一姫、インプレッション・シーカー、剣術スキル!!」


「了解。インプレッション・シーカー·····剣術スキル!!」


 そうして一姫はリーフェが発動した剣術スキルをそっくりそのまま発動させた。


「な·····!?」


「嘘!? 本当に!?」


「このようにインプレッション・シーカーは対象のスキルを高速で検索、高速で学習しスキル模倣するんだ!!」


「最強じゃないですか!? おめでとうございます、コウハ様」


 その後、リーフェの聖剣スキル、ファイヤーブラストをインプレッション・シーカーで解析、模倣した。

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