1.2.15 義妹兼セフレ

 今日は公募用のラブコメを書いていた。


 俺はWEBと公募のハイブリッド作家なのである。


「よしっ1万字いった!!」


 公募に出す小説は10万字書かなければならない。


 やっと10分の1が終わったのである。


 ペットボトルのりんごジュースを一気に飲み干す。


「くぅ〜染みる〜」


 ひと仕事終えた後はこの1杯が最高だった。


 ☆


 美少女サーシャによるセフレ宣言から1日後。


 俺たちはとりあえずLINE交換を済ませた。


 LINE交換しないと離れてくれそうになかったからである。


 親父に凪波とともにファミレスに召集された。


 何やら会ってほしい人がいるらしい。


 俺は絶賛ニート状態で暇だったし、凪波は今日は生徒会の仕事がなく時間があったので一緒に東京に向かうことにした。


 俺たちはファミレスの前で親父と合流する。


「光覇久しぶりだね、元気に大学行ってるか?」


「うーん、ぼちぼちかな」


 真っ赤な嘘である。


 実は大学に行かず絶賛ニート状態である。


 そんなことを言えば親父は心配するだろう。


 だから余計な心配をかけさせないため今日も俺は嘘をつく。


 嘘は飛びきりの愛なんだよ。


「あっいたいた。芹那せりなさーん」


 なんとそこにいたのはセフレ宣言をしたサーシャちゃんと芹那さん(30代くらいの綺麗な女性だった)だった。


「……」


 絶句した。


「ええええ!? サーシャちゃん!?」


 凪波は驚いてるようだった。


「ええええ!? 凪波ちゃん!?」


「な、なんでここにいるの!?」


「今日突然お母さんに呼ばれて……なんでも会わせたい人がいるって。今日会う人って凪波ちゃんたちだったんだ。奇遇だね。こんな場所で会うなんて」


「ねー。本当奇遇だね。サーシャちゃんと会えて嬉しいよ」


 そういえば2人は同じ生徒会のメンバーで親友だったな。


 こんな場で会うとは思わなかったのだろう。


「ん?お前ら知り合いだったのか。今度お前たちの母になる芹那さんだ。父さん、ちょっと再婚することになった」


 ええええ!? 再婚!? 聞いてないんですけど。


「今度義妹になるサーシャちゃんだ。芹那さんは日本人、サーシャちゃんは日本人とロシア人のハーフらしいぞ。……光覇、お前、義妹がほしい、義妹がほしいってよくつぶやいてたじゃないか。良かったな、美少女の義妹ができて」


 ええ……?


 確かに義妹がほしいとはつぶやいてたけど。


 それがセフレ宣言したサーシャちゃんだとは。


 予想外すぎる。


「よろしくお願いします、お兄様」


 ぐはっお兄様。義妹にお兄様と呼ばれるのがこんなにダメージが大きいとは。


 上目遣いでさらにダメージがエグいことになってる。


「兄貴、何、サーシャちゃんにデレデレしてるの?」


「いやいや、デレデレしてないから」


「まあサーシャちゃんはこんなにかわいいから兄貴の気持ちも分かるけどね。……っていうか私の方が誕生日早いからお姉ちゃんになるのかー。ね、ね、サーシャちゃん、1度私のことお姉ちゃんって言ってみて」


「……お、お姉ちゃん?」


「くーっ!! この妹可愛すぎるだろー」


「これから俺と芹那さんは新婚旅行に世界一周してくるから。また子供増えちゃうかもな。ハッハッハ」


 親父、そういう話を子供の前でするんじゃねえ。


「それで凪波とサーシャちゃんには光覇と同じマンションに住んでもらう。凪波は帝城高校に近くなるからいい話だろ?」


「うん、分かった」


「分かりました。お父様」


 こうして俺にはサーシャちゃんという義妹ができたのである。

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