3

「あぁ、もちろん」

 トモヒロはお面を、爽に手渡す。

爽はグッと、そのお面を手に取る。

「よし、行くぞ」

オジサンは、確かめるように声をかけた。


 ギィ~

やけに大きく、きしむ音を立てる。

ザワザワ…

背中を走る寒気を感じて、爽は大きく息を吸い込む。

 中をのぞくと…整然としている。

オジサンは、懐中電灯のスィッチを入れる。

「お祭りのために、片づけたんだよ」

二人に向かって言う。

おびただしい数の鬼のお面が、今はどこにも見当たらない。

(ハルちゃんの絵は?)

爽は目で探すけれど、真っ暗な空間が広がっているだけだ。


「ソウ」

 自分を呼ぶ声がする。

ふぅ~

爽は大きく深呼吸をして、中に足を踏み入れようとすると、

白い腕が伸びて、ぐぃっと闇に引きずり込まれようとしている。

「あっ」

トトト…

つんのめるようにして、靴のまま、中に入る。

バタン!

爽が入った途端、扉が閉まった。


「えっ?」

 真っ暗闇の中、目をこらす。

ボゥッと、白い腕が現れ、そしてゆっくりと闇の中から、

白い服を着た女性の姿が現れた…


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