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 以前来た時とは、すっかり何かが違って見えた。

もちろん建物に外観も、周りの樹木も変わらないのだが…

その場所のまとう空気が、なぜかヒヤリと、寒々しいものを

感じる。


「えっ?どうなっているんだ?」

 思わず爽は、腕をさする。

8月だというのに、気温はむしろ蒸し暑いというのに…

この悪寒は、一体何なのだろう?

思わず全身が、粟立つのを感じる。

 たじろぐ爽に気が付くと、

「ソウ…どうした?」

トモヒロは声をかける。

「いや…何だか…前と違う」

息苦しいくらいだ。

蒼ざめる爽を見ると、

「あぁ~たしかに、そうだな」

オジサンが、爽の肩に手を置く。

「おそらく…ハルちゃんが、来ているのだろう」

だが、トモヒロだけは、

「えっ?そう?

 全然変わって見えないけど?」

ケロッとしている。

 体質の違いなのだろうか?

「トモヒロ…何も、感じないのか?」

「あぁ、何となく暗く感じるだけだ」


 きっと、自分は神経質になっているのだろう。

「緊張しているんだよ」

ごまかすように、爽は言う。

「大丈夫だよ」

明るく言い切るトモヒロに向かって、

「お面は、持っているか?」

確かめるように、声をかけた。

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