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「じいちゃんは、とっても男気があって、かっこいい人
だったんだぞ」
「ソウって、マザコンじゃなくて、ジジコンだったのかぁ~」
トモヒロが笑う。
「なんだよ、それ!」
神棚には、お供えの果物とか、お花とか、毎日おばあちゃんが、
供えているようだ。
白い器をそっと置くと、爽は手を合わせる。
トモヒロも爽の真似をして、手を合わせると
「おまえたち、今日は神社に行くんだろ?」
オジサンに声をかけられる。
「そうだよ!」
クルリと振り返ると、オジサンはふすまから、顏をのぞかせていた。
「朝ごはんが終わったら、寄る所があるんだけど、その後なら…
車で送ってやるぞ」
オジサンはにこやかに、そう言う。
「やった!」
トモヒロは、パンと手を打つ。
その間…爽は固まったように、神棚の一画を見つめる。
「ソウ、どうした?」
爽の様子に気が付くと、トモヒロが声をかける。
「いや…」
爽は戸惑ったように、その場に固まっている。
「トモヒロ…」
助けを求めるように、まっすぐにトモヒロを見る。
「どうしたんだよ。
まるでオバケを見たような顔をしているぞ」
からかうように、トモヒロが声をかける。
「うん…あれ」
まっすぐに、爽は指を差す。
「え~?なに?」
なんだよぉ~
ヘラヘラしながら、爽の差す方を見る。
「あっ!」
そこには、古いお面がこちらを向いている。
「えっ?なんで、あれがここに?」
それは、爽が持ってきた物とは、違うお面だ。
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