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(やっぱり、何かあるのか?)
ますます気になるけれども。
すると背後で、スゥ~ッとふすまが開く音がする。
「あら、ソウ!そのお面はどうしたの?」
声をかけられた。
「えっ」
オジサンはギョッとした顔で、振り返る。
だがばあちゃんは、ニコニコしたままで、
「ちょっと貸して」
すぃっと、骨ばった手をこちらに向ける。
「おい、寝てなくてもいいのか?」
慌てた様子で、オジサンは立ち上がる。
だがばあちゃんは、「いいから、いいから」とやけにハッキリと
そう言うと…
「見せて」
さらに手をグィッと、突き出す。
「いいの?」
爽はためらいがちに、オジサンを見上げる。
「しょうがないだろ」
オジサンは、はぁ~とため息をつく。
「あらまぁ、懐かしいわねぇ~」
おばあちゃんの反応は、オジサンとは全く違うものだった。
「あっ、知っているの?」
「ご存知なのですか?」
爽とトモヒロの声が重なる。
「あらっ!」
おばあちゃんは、二人を見て、クスクス笑う。
「もちろん、知っているわよぉ。
これは…おじいちゃんとの出会いのキッカケになったお面だもの」
「え~っ、そうなの?」
「ばあちゃん、ホント?」
オジサンも、そのことは知らなかったのか…
思わず声を上げた。
「えっ?そうよ!ノリヒロは知っているでしょ」
おばあちゃんは、むしろ、みんなが知っている…と思い込んで
いたようだ。
「えっ、まさか!」
オジサンはすぐに、否定する。
「だって、これは…あそこにおさめられているはずだろ」
おばあちゃんに向かって、言い返す。
「えっ」
爽もトモヒロも、想定外の話に、言葉を失う。
「あっ、ちょっと」
二人の様子を見て、オジサンはあわてる。
「違う、違うよ!
ボクは…キミたちのことを、疑ってなんかいないからね!」
すぐに、弁解するように言う。
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