18

 駅には、コンビニがあるのは当たり前だし、駅の外にも、コンビニか

お店があるのは、常識だ。

でも、ここは…ガランとした空き地があって、ジュースの自動販売機が、

ポツンと立っている。

「悪いなぁ~こんな田舎だと、つまんないんだろう」

オジサンはそう言うものの…

別に、本当に悪いとは思っていないようだ。

するとクルリと振り返り、

「どうする?

 シッポを巻いて、やっぱり、家に帰るか?」

ニヤッと笑って、二人を見る。

 トモヒロは、大きく頭を振ると

「いえ!帰りません」

キッパリと答える。

「だって、ボクたち…

 ここに来ないといけないんだから」

グッと強い視線を、オジサンに向けた。


「ふぅーん、そうか」

 オジサンは、それ以上聞こうとはせず、車を発進させる。

「まぁ、とりあえず家に帰ろう。

 大したものは、何もない…

 田舎の古い家だがね」

トモヒロの方をチラリと見ると、ニヤリと笑ってみせる。

「あぁ~全然かまいません。

 それよりも、この近くに図書館はありませんか?」

静かに、トモヒロは聞く。

「図書館かぁ~キミ、勉強熱心なんだねぇ」

オジサンは、ニヤニヤしている。

きっと、何か誤解をしているのだろう。

「あるよ!でもまぁ~今日ぐらいは、ゆっくりしたらいい」

「ありがとうございます!」

相変わらず、外面のいいトモヒロは、にこやかに返事をすると、

特上の笑みを浮かべる。

(母さんは、これに…だまされているんだよなぁ)

 人たらしだなぁ!

思わず爽は、心の中でつぶやいた。

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