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(どういう意味だ?)

 まさかトモヒロは…あの女の子がいないとでも、思って

いるのか?

それはずっと、爽も引っかかっていた。

実在する人物なのか?

それとも、この世には存在しない人物なのか?

(まさか…キツネに化かされたとでもいうのか?)

それはそれで、あまり気分のいいものではないけれど…

確かに、夢の中では、キツネのお面をつけていた。


「そんな顔をするなよ」

 トモヒロが、黙り込む爽の顔をのぞき込む。

「そうじゃなく、見つかったら、それでいいじゃないかぁ」

案外、本当に美人だったらどうする?

トモヒロは、ヘラヘラと笑う。

「トモヒロ、おまえ!

 カワイ子ちゃんだったら、さっさとLINE交換するつもり

 なんだろ?」

ホント、おまえは抜け目のないヤツだなぁ~

さっきから、ガラガラの車内で、二人の大きな声で、ゲラゲラと

笑った。


 目的の駅に降り立つと、それが無人駅だった。

「うわぁ~ずいぶん、田舎なんだなぁ」

珍しそうに、トモヒロが辺りを見回す。

あまりここにここに来たことはないけれど、相変わらずひなびた

町だ。

降りたのも、やはり二人だけ。

ガランとして、乗る人もいない。

「悪いなぁ~何にもない田舎で」

トモヒロの顔色をうかがうように、爽が話しかけると、

「いやぁ~すごいなぁ!

 ザ、田舎って感じでさ!」

楽しそうに、トモヒロが声を弾ませた。

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