14
(本当に、いるのだろうか?)
いよいよ出発の時、爽自身も疑い始めていた。
「会えればいいな」
電車を待つ間、ポンとトモヒロは、爽の肩をたたく。
「まぁな、おまえ…ホントにいると思うか?」
まさか、こんなことになるなんて、思ってもいなかった。
しかも、突き合わせるなんて…
悪いなぁと、内心爽は思っている。
「いなければ、いないでいいよ!
せっかくだから、遊んで帰ろうぜ!」
ホントいうと、ちょっとでもいいから、家を出たかったんだ…
トモヒロはニヤニヤしながら、爽に向かって笑ってみせる。
コイツって、ホント、いいヤツだなぁ~
誘って、よかった…
「そうだな!」
ポンと、トモヒロの肩をたたいた。
「でもさ、村に着いたとして…
どうやって、その女の子を探すつもりだ?」
電車に乗り込むと、早速トモヒロが爽に聞く。
それは爽にとっても、頭の痛いところだ。
「まずは…オジサンに聞いてみる。
あとは…神社かなぁ」
まったく、雲をつかむような話だ。
「その村のことに、詳しい人に聞くのも、いいかもな」
ポンとトモヒロが言う。
「村の歴史とか?」
「うん、それもあるけど…祭りのこととか、過去に行方不明
になった女の子がいないか、とか…」
さっきから、言いにくそうに、爽の目を避けるようにして言う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます