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(本当に、いるのだろうか?)

 いよいよ出発の時、爽自身も疑い始めていた。

「会えればいいな」

電車を待つ間、ポンとトモヒロは、爽の肩をたたく。

「まぁな、おまえ…ホントにいると思うか?」

まさか、こんなことになるなんて、思ってもいなかった。

しかも、突き合わせるなんて…

悪いなぁと、内心爽は思っている。

「いなければ、いないでいいよ!

 せっかくだから、遊んで帰ろうぜ!」

ホントいうと、ちょっとでもいいから、家を出たかったんだ…

トモヒロはニヤニヤしながら、爽に向かって笑ってみせる。

コイツって、ホント、いいヤツだなぁ~

誘って、よかった…

「そうだな!」

ポンと、トモヒロの肩をたたいた。


「でもさ、村に着いたとして…

 どうやって、その女の子を探すつもりだ?」

 電車に乗り込むと、早速トモヒロが爽に聞く。

それは爽にとっても、頭の痛いところだ。

「まずは…オジサンに聞いてみる。

 あとは…神社かなぁ」

まったく、雲をつかむような話だ。

「その村のことに、詳しい人に聞くのも、いいかもな」

ポンとトモヒロが言う。

「村の歴史とか?」

「うん、それもあるけど…祭りのこととか、過去に行方不明

 になった女の子がいないか、とか…」

さっきから、言いにくそうに、爽の目を避けるようにして言う。

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