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「そうなのかぁ」
どうやら爽も、期待していたらしい。
「たぶん、昔そう呼んでいたとか、通り名みたいなものかも
しれないなぁ」
さぁて、どうやって探そう?
思案顔で、腕組みをしているトモヒロに、爽は言おうかどうかと、
ソワソワしている。
「たぶん…おじいちゃん家に行った時に、連れて行ってもらったんだと
思う…」
だが、あんまり自信がない…
消え入りそうな声でそう言う。
「そうなのか?」
だが、トモヒロの反応は違った。
「なんだ!手がかりがあるんじゃないかぁ!」
俄然トモヒロは、目に見えて元気になる。
「だけど…おじいちゃんは、もう亡くなったんだ」
聞きたくても、聞けないよ…
ポツリとそう言うと、
「なんだ!それじゃあ、自分の親に聞けばいいじゃないか!」
そうだろ?
トモヒロは、「余裕だろ」張りきった調子で、そう言う。
「いいだろ」
「いや、今すぐにだ」
はやるトモヒロにせっつかれ、爽はいやいや電話をかける。
だが母親は、あからさまに面倒臭そうな声を出す。
「それって、いつの話よ?
おじいちゃんの村には…そんな祭り、なかったはずよ」
キッパリと言い切られてしまう。
「え~っ、知らないの?」
「知らないわよぉ~
私も、行ったことないし」
あんた、ヤバイことに、首を突っ込んでいるんじゃあないでしょうね?
逆に、不機嫌そうな声を出す。
「いや、ちょっと思い出しただけだよ」
これ以上話すと、ボロが出る~
早々に、電話を切ってしまった。
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