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「なんだ?それも…夢なのか?」

 変なヤツだなぁ~

トモヒロは爽の顔を、のぞき込む。

「それが、本当にあったのかどうか、よくわからないんだ」

自信なさそうに、そう言う。

「何でだ?本当にあるかどうかぐらい、自分でわかるだろ?」

トモヒロは、何でだよと爽に言い返す。

「だから…信じてくれないと思うって、行っただろ」

うつむいたまま、ポツンとそう言った。


「なんだ」

 責めている訳ではないのに。

どうも、スッキリとしない。

「じゃ、どうするんだよ、これ」

夢と言い切れないのは、現に目の前に、チラシとお面が存在する。

「あの女の子も、会ったと言ってただろ?」

イタズラにしては、手がこみすぎている。

「しっかりしろよ」

爽の顔をのぞき込む。

 だが、爽は浮かない顔のままだ。

「しゃあないよなぁ」

どうやって、探すつもりなんだ?

探しようが、ないじゃないかぁ~

トモヒロは、大きくため息をつく。

「じゃあ、鬼神村で検索をしてみたら?」


 物は試しだ、とすぐにトモヒロは、チャチャッとスマホを

取り出す。

「便利だよなぁ~

 図書館に行かなくても、調べられるんだから」

気軽な気持ちで、探してみるけれど…

「おい、それって、どこにあるんだ?」

その手が、ピタリと止まる。

「まさか、ないのか?」

ピクンと爽が、トモヒロに視線を向ける。

「あぁ~祭りはあるみたいだけど、肝心の地名ではなさそうだ」

あからさまに、ガッカリした顔をした。

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