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「あぁ~そうだったな」

 ポンと玄関に投げ出してあった荷物を、あらためて取りに戻る。

まさか、なくなってはいないだろう…と思ってはいたが、確かに

靴箱の上に、放り投げてあった。

チラリと見えたのは、少し膨らんだ茶封筒と…それから、チラシ?

「なんだよ、これ」

ちょっと違和感を感じる。

まず開いたのは、茶封筒の方だ。

中には、古いお面が入っている。

「えっ?なんだよ、嫌がらせか?

 それとも、いたずら?」

しかもそれは、かなり古ぼけた鬼のお面だ。

「なんだよ、気味が悪いなぁ」

顔をしかめる爽の隣で、

「少なくとも、ラブレターではないな」

ちゃっかり横からのぞき込んで、トモヒロはヘラリと笑う。

「これで、ラブレターだったら、かなり怖いよ!」

爽も負けじと言い返す。

さすがに、そんな趣味はない。

コレクターならば、喜ぶのだろうが。


 そもそもどっちが、ラブレターだ、と騒ぎ出したんだっけ?

「大体『わたしをさがして』だなんて、怪しいと思ったんだよ」

さらりとトモヒロが、言ってのける。

今さら、それを言うのか?

それに、一番面白がっていたのは、当のトモヒロだったはずだ。

 だが、そんなことなど、すっかり忘れたように、ちゃっかりと

まっさらな顔をして、傍観者の顔をしている。

「あ~あ、何だか損した気分だなぁ」

半分本音を、チラ見せしている。

(誰のせいだよ)

「でも、これって、どういうことなんだ?」

ともかく爽は、お面と一緒に入っていた、チラシを広げてみる。

「これって、今年のチラシだろ?」

何のことを言っているんだ?

トモヒロに言われて、あらためて爽ものぞき込む。

それは、どこかの町の祭りのチラシだった。

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