3

「なんだよ、それ!

 人のことをダシにして。

 楽しんでいるんじゃあないのか?」

 そう言いながらも、その実、爽は少し、トモヒロには感謝を

していた。

例えウソにしろ、本当にしろ、何でこんなメッセージを送って

きたのか…知りたいと思っていたのだ。

普通の神経の人ならば、

「何を、寝ぼけたことを言っているんだ?」

と、笑うことだろう。


「だけど、どうやって…探すんだよ」

 その封筒に、消印でもあれば、その周辺を探す…ということも

出来る。

名前があれば(偽名ということもあり得るのだろうが)

まだ、探すことは出来る。

年齢は?

本当に、爽宛てなのか?

もしかしたら、本当に、どこかで何かが、起きているのではないか?

それらを含めて、それを突き止めたい、と思ったのだ。


「でも…どうやって、探すんだ?」

 今のところは、この一文だけだ。

手掛かりは、皆無といってもいい。

「それは…これからじっくりと、時間をかけるのさ」

 焦るな。

にぃっと、トモヒロは爽に向かって、笑いかける。

「時間?」

「そう」

トモヒロは大きくうなづくと、少し気取った顔をして、爽を見る。

「もしも、おまえがターゲットなら…

 きっと、何らかのアクションを起こすはずだ」

「そうか?」

策は、それだけなのか?

「じゃあ、もしも、何もしてこなかったとしたら?」

もちろん、その可能性だってある。

それは、そうだ。

「そうしたら、いさぎよく撤退をする」

あっさりとトモヒロは、肩をすくめてみせる。

 なんだよ、それ!

ゲームのつもりなのか?

にぃっと笑うトモヒロを見ると、

「おまえ、もしかして…楽しんでやしないか?」

他人事だと思って!

ドン、と爽はトモヒロに肩を押した。

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