第4話 桐ケ谷家と家庭教師

そんなことを考えていたら、家庭教師が家に着いたらしい。メイドと一緒に応接間に向かう。

桐ケ谷家も言った通り財閥だ。そして、日本の五大名家の一つとして数えられるらしい。それぞれの名家には政治や医療分野など特色があるらしい。桐ケ谷は大企業を持ち、その傘下の中小企業の分野を様々に展開することで各業界のパイプを築いてきたらしい。そして、その情報網は五大名家の中でも頭一つ抜きんでているらしい。


さっきから”らしい”という言葉を使っているのは、あまり実感が持てないからだ。自分がそんな凄い家に生まれたということが。前世では中流家庭、何なら少し貧乏な家に生まれて育ってきたから。


だが、桐ケ谷の家を見たらそういう言葉を失ってしまう。


応接間は離れにあるから、その離れに行く途中いろいろな部屋を横切りながら見た。数えきれないほどの部屋数にその内装はただ豪華なだけではなく、何処か品がある。


桐ケ谷家はモダンな雰囲気のある洋館だ。だが併設されている離れなどは和風。そして何より敷地がデカい。必要か?と思うほどに。


そして、応接間の前に到着した。心臓がどきどきしている。転生してから会ったことがあるのは大体母親と決まったメイド1・2人に執事だけだ。その人たちとも喋ったことはない。ゆえにめっちゃ緊張している。


大きく息を吐く。そうだ、雇うか雇わないかの決定権は僕にある。辺に緊張したりする必要はない。そう自分自身に言い聞かせる。そして覚悟を決めて僕は扉を開けた。

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