第2話 転生 そして囁きもとい洗脳

生まれ変わった。そう、生まれ変わったのである。


でもどうやら異世界転生というわけではなく、現代に転生したようだ。いや、限りなく現代に近いという言い方をするべきか。


というもの、現代には残ってはいない財閥制度というものがあるようだ。何故それを齢赤子の身でありながら知っているかって?それは、いつもそう囁かれるからだ。いや、洗脳というべきか。


ほら、今日もやってきた。


そこに佇んでいたのは今世の僕の母親だ。その容姿はとても美しく、右目の下の色っぽいほくろが特徴的である。ただ、息子から見る限り美しいと言えるのは容姿だけである。その理由は先程言っていた囁きもとい洗脳のせいだ。


母はただ僕を見下ろして、何処か狂気的な笑みを浮かべている。そして囁いた。

「あなたは、この家の跡取りなの。この桐ケ谷財閥の当主になるの。そのためには、何時でも完璧であらねばいけないの。そうじゃないとこの家には居れないわ。

大丈夫。あなたは御母様と御父様の子ですもの。完璧になるわ。でないと、あなたは私たちの子じゃないのよ」


なんちゅーことを子供に言うねん!!ていうか、普通の赤子にそんなことを言っても、意味が理解できないだろっ!!


怖い怖い。毎度怖い!瞳孔開いてるし。嫌だよ、僕の第二の人生どうなるんだ?!


そもそも、生まれてから母親はこうやって時々洗脳しにくるが、父親を見たことは一度もない。まさかの僕興味すら持たれてない!?どうなるの?!!僕の人生?!!

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