僕、生まれ変わったので喋りません!!

哀歌 奏

第1話 プロローグ

喋りたくない、声を出すのが億劫。君はそんなこと思ったことない?


僕はそれを常々感じていた。でも、声を出さずにみんなを無視する勇気もなくて

結局誰と話すときでも愛想笑いを浮かべて適切な距離を保つ。そんな日々を送ってたのさ。だけど誰に対してでもそんな態度だったせいか、親友と呼べる者が出来なかった。悲しいことだ。アニメや漫画でも無口キャラっているじゃん?でも、ああいう子たちって自然と仲良くなった友達がよくそばにいる。いつもそういうキャラを見かける度に羨ましいと思ったもんさ。


あーあ、つらい。僕にはついにそういう友達は出来なかった。僕の人生はそれなりに平凡だった。誰かと絶縁するわけでもなく、ましてや犯罪者になることもなかった。困窮するわけでもなく、裕福でもなかった僕のそんな人生に対して、一つ振り返ることがあるなら、ただ親友が欲しかった。気兼ねなく関われる友達が欲しかった。それだけだ。



そんな僕はどうやら第二の生が訪れたようだ。要は転生したようだ。


僕は何故こうやって生まれ変わったのかは分からない。だが、これが神の導きだとするなら、悔いは残すな。気兼ねなく関われる仲間を見つけよ、ということか。


まあ、これからは無口に生きよう!!極力喋らない方向で!

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