第14話

「あっ もしもし いぶきちゃん ??」


明日、学校で聞けばイイのだが

すぐ、電話で聞きたくなってしまった

多香緒


『うん もしもし』


メッセではなく、あえて電話を

かけて来た 多香緒に ビックリする

いぶき


「今 大丈夫 ??」


電話が、出来る状態か 確認する

多香緒


『今 ・・・

緊急の用事かな ??』


少々、言いよどむが あえて

言わない いぶき


「うん ラップバトルがあるって

聞いてるかな ??」


雰囲気から、単刀直入に聞く 多香緒


『あっ それなら これから説明が

あるみたい』


壁際に、移動して 小声になる

いぶき


「そうなんだね」


少し、がっかりする 多香緒


『用事って それだけ ??』


多少、気が抜けたように言う

いぶき


「うん ごめんね 忙しい時に」


軽く、あやまる 多香緒


『いや ちょうど 休憩時間だったから』


どうやら、他に用事があったわけでは

ないと、わかって 安心する いぶき


「うん また後でね」


急いで、電話を切ろうとする

多香緒


『うん じゃあね』


苦笑いの いぶき


「バイバーイ」


ピッ


「ふぅ

全然 緊急じゃあないじゃん」


肩の、チカラが 抜ける いぶき


「あれっ

納豆巻きしか 残ってないー」


振り返ると、納豆巻きの山しか

残っていない。


「あーしの パンプキン~」


崩れ落ちて、アヒル座りになる

いぶき


ピッ


「いぶきちゃんのところも

連絡が 行ってるみたい」


残念がる 多香緒


「やっぱり そうだよね」


ため息が出る 木幹


「うーん

他に やれそうな人 いないかな~」


腕組みして、考える 多香緒


「まぁ 無理に 探さなくて

大丈夫だよ

知り合いに いないか

軽い気持ちで聞いただけだから」


フォローする 木幹


「そうなんですか」


その頃


「やはり 行くか ギフよ」


ホンコンの、ビルの 一室で

眼下の、景色を 眺めながら

珍が、そう言うと


「はい マスター

ここで じっと 妹の帰りを

待つのではなく 探しに

行きたいのです」


珍の、デスクに 両手をついて

力説する ギフ


「ギフよ

お主にとって 過酷な旅立ちと

なるであろう

それでも 行くのか ??」


振り返り、ギフの顔を見る 珍

いつになく、真剣な顔をしている。


「はい

わたしの わがまま聞いて下さい」


顔を、伏せる ギフ


「うむ

それで やはり あの者を

たずねて行くのか ??」


あえて、全部言わない 珍


「さすが マスター

もう 見抜いていらしたのですね」


参ったなという、表情で

腕組みする ギフ


「あたりまえじゃ

だてに マスターを 名乗っておらぬわ」


腰に 手を置く 珍


「さすが マスター」


ニヤリと、笑い 首を振る ギフ


「ワッハッハ」


その頃


「安達太良は 南米にいるらしい

ですね メフースト」


安達太良の、神出鬼没ぶりに

手を焼く 凡城


「あぁ また 世界遺産の危機だよ」


安達太良が、動くところ

世界遺産崩壊の危機。


「オレの 出番ですね」


拳を、鳴らす 凡城

体の具合は、全快になっている。


「いや

南米担当者が ターゲットの

ホセ パーシバルを うまく逃がしたよ」


もう、対策済みと言う メフースト


「おお 現地メンバーも

やりますね」


チームワークの、お国柄だろうか。

前回、うまく噛み合わないことが

あった ホンコンとは 違う。


「うむ サンパウロを 血の海に

変えるわけには いかんからな」


なるべくなら、市街地戦を

避けたい メフースト


「それで どこに 逃がしたの

ですか ??」


潜伏先を、知っておきたい 凡城


「ちょっと今は言えない

ニセ情報として リオデジャネイロに

潜伏中と 流している」


いつ、情報が 外部に漏れるか

警戒する メフースト


「リオデジャネイロですか」


うーんと、考えこむ 凡城


「そうだ

リオデジャネイロに 影武者を

スタンバイして おいた」


どうやら、妨害のレベルが

格段に、上がっている。


「それなら ひとまず ブラジルに

足止め出来ますね」


あり得ないくらいの、対応に

舌を巻く 凡城

ちょっと、メフーストに

鎌をかけるような、フレーズを

ワザと、忍ばせて さぐりを

入れる。


「そうだ

めちゃくちゃにされるのは

もう勘弁だからな」


どうやら、ホセ パーシバルは

ブラジルを、無事に出たようだ。

ホッとする 凡城


「ですよね ホンコンも

街の 一部とはいえ

ボロボロに なりましたから」


まぁ、大砲を ぶっぱなしたのは

メンバーの、ティファリーだが。


「あれだけやって

おとがめ無しだから

UNReの敵だよ !!」


棚にあげる メフースト


「全く その通りですよね」

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