第9話

「ふぁぁ

お昼だぁーっ」


友達と、机をならべ 授業するという

当たり前の生活に戻り


「先に屋上 行ってるね~」


ヒダヒダが、声を かけて来る。


「うん」


芸能人を、目指す個性の塊の

たくさんいるクラスのせいか

友達で、固まっているのは 多香緒たち

5人だけで、他の生徒は 2人とか1人で

行動している。


「かなえと イリヤは どうするんだろ?」


ふと、他の教室の二人を 気にする

多香緒

時々、一緒に 屋上で 食べていた。


「うーん

まだ眠いなぁ」


授業中、ついウトウトしていた 多香緒

どうも、頭が スッキリしない。


「ねぇ 大丈夫 ??」


えなみが、多香緒の体調を

心配する。


「うん ありがとう えなみちゃん

昨日 北海道から東京に 帰ったばっかりで

ちょっと 眠気が・・・」


目を、開けたいけど なかなか

開かない 多香緒


「それは 大変だったね

アイドルの お仕事で ??」


気になって聞く えなみ


「ちょっと 別の 仕事でね」


多少、にごす 多香緒


「そうなんだね

今日は 特に 眠そうだったから

心配しちゃった」


多香緒が、授業中 寝ているのは

恒例なので、先生も あきらめて

いるくらいだ。


「心配かけちゃったね

ごめんね」


手を、合わせる 多香緒


「いや イイよん

屋上 行く ??」


ヒダヒダが待つ、屋上に行こうと

言う えなみ


「うん 行く行く

あれ いぶきは ??」


気付かないうちに、教室を出ていた

いぶき


「あの子は 今日 弁当じゃあないから

食べに出るって」


安くて、おいしい店が周辺に かなり

あるので、かなえと イリヤも

最近は、食べに出ている。


「さーて 行きますか」


パタッパタッ


階段を、登っていく えなみと 多香緒


「おっそいよー」


場所取りを、していた ヒダヒダが

少し、プリッと怒っている。


「アハッ

ごめんごめん」


ニヤニヤする 多香緒

かなえと イリヤも 今日は 弁当を

持って来ているようだ。


「ういーー」


かなえが、右手を挙げる。


「おおっ いるいる」


手を振って、答える 多香緒


「ジャーン

ヒダヒダ特製弁当だよー」


ヒダヒダは、自作の弁当を

披露する。


「また すごいね」


感心する 多香緒

ヒダヒダは、右ヒジさえ故障して

いなければ、今ごろ スポーツ推薦で

他の、高校へ通っていただろう。


「フフ ありがとう」


ニカッと、笑う ヒダヒダ


「わたくしのは お母様が」


しっかりと、作られた ウスイ母の

弁当は、さすがだ。


「イイな

あたしのは コンビニ弁当のを

つめかえただけだし」


苦笑いする 多香緒


「まあ 詰め替えているだけマシさ」


レジ袋に入った コンビニ弁当を

持ち上げる イリヤ

かなえも、同じだ。


「えなは 摂取を 控えているから」


クリームパン1個の えなみ


「それだけで 足りるの ??」


今度は、多香緒が えなみの

体調を、心配する。


「うーん 大丈夫」


苦笑いする えなみ


「すごーいね」


あたしには、絶対無理だと思う 多香緒


「「いただきまーす」」


みんなで、手を合わせる。


「コスチュームに お金使いたいし」


えなみは、自作のコスチュームも

あるけど、欲しい 衣装を買ったり

するので、節約している。


「うん そうだよね」


多香緒も、ステージ衣装を

どうにかしようと、思っている。


「ヒダヒダも 食費を 浮かしたいから

自分で 作っているんだー」


ご飯を、食べながら 元気いっぱいの

ヒダヒダ


「そうだよね」


自分のは昨日、割引になった

コンビニ弁当だと、もう少しで

言いそうになる 多香緒


「まぁ おいしければ イイよね」


みんなの弁当を、うらめしそうに

見つめる えなみ


「えなみちゃん

はい アーン」


からあげを箸で掴み、えなみのクチに

持っていく 多香緒


「ありがとう」


おいしそうに食べる えなみ


「ほっこりする~」


同級生だけど、妹のように

かわいい えなみに ニヤつきが

止まらない 多香緒


「なんか すっごい仲良く

なってるよね~」


かなえが、ジーッと見る。


「だよね」


イリヤも、ジロジロ見ている。


「ちょっと 二人とも」


妙な、誤解をする 二人の言動に

おどろく 多香緒


「ジーッ」


多香緒を見つめる かなえ


「別に そんな関係じゃないよ」


両手を、振る 多香緒


「そうなんだー」


棒読みの イリヤ


「ねえ えなみちゃん ??」


えなみに 話しを振る 多香緒


「さあ どうでしょう」


ニッコリして、におわす えなみ


「ちょっとー」

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