第2話

「ちょっと イイかな

多香緒ちゃんの おばさん??」


ミクに、いいように扱われる

多香緒を、かわいそうに思い

助け船を、出す メイジイ


「ええ

なにかしら」


余裕の、表情を見せる ミク


「さっきから 聞いてれば

娘の 稼いだ カネを・・・」


つい、怒りに うち震える メイジイ


「なんなの アンタ

娘のカネは わたしのモノ

でしょうが

他人なんだから クチを

挟まないで ちょうだい」


実に、堂々と よく言える。


「いいえ

かわいい後輩なんで

意見させて もらうわ」


多少、我慢の限界で

当初、クチ出しするつもりは

なかったのだが、ミクの

あまりに、横柄な態度で

引っ込みが、つかない

メイジイ


「ちょっと 二人とも

やめてよ」


思わぬバトルに、発展して

レフリーとして、来て

もらったメイジイを、なだめる

多香緒


「むっ」


完全に、エンジンの かかっている

メイジイ

少々、目が 血走って 見える。


「・・・お母さん

あたしの 実の父なんだけど

パパは 生きてると思うの」


いつもは、ハッキリ言えない

ことを、言う チャンスだと

思う 多香緒


「この子は まだ

そんなことを言ってるの」


過去を、蒸し返され

あきらかに、不機嫌になる ミク


「だって

まだ 遺体は 出てないでしょ」


どうしても、不可解だ。

行方不明になって、すぐ

離婚するなんて。

協議中だったとはいえ。


「出なくたって わかるわ」


肩を、すくめる ミク


「どうしてよ」


いつもは、つっこめないが

メイジイが、勇気をくれる。


「トラック東北まで

流れついていて

荷台には いなかったって」


半笑いで言う ミク


「えっ

荷台って 誰が 言っていたの??」


どうにも、おかしい。


「石林さんよ

彼が 教えてくれたの」


石林社長に、聞いたと言う ミク


「石林が・・・」


石林犯人説が、かなり 濃厚に

なってきている。

でも、面と向かって 話しを

するには、ハードルが 高い。


「ねぇ

石林さんって さっきいた人??」


メイジイが、ファミレスから

出て行った男を、思い出す。


「そうです・・・」


かなり、テンションが 下がる

多香緒

うつむいてしまう。


「多香緒ちゃん

石林さんと なにがあったの??」


あきらかに、様子が おかしい。

過去に、なにかあったと

察する メイジイ


「・・・ちょっと

言いたくは ないです」


少なくとも、ファミレスでする

話しではない。


「そう・・・

離婚した人が

たまたま 居たんですか??」


多香緒から、ミクに視線を変える

メイジイ


「わたしが 呼んだの

だって 腕っぷしの強そうな

人が 来たら やっつけて

もらおうと思って」


用意周到な ミク


「ミクさんが

なにも 悪いことしてなければ

そんな 考えには ならない

ですよね」


鋭い、つっこみを入れる メイジイ


「はいはい

わたしが 全部悪いのよ」


完全に、開き直る ミク


「また

そうやって 向き合わない

んだ??」


苦笑いする 多香緒


「なにがよ」


痛いところを突かれ、イラッと

する ミク


「石林が パパを 殺したかも

知れないのに」


確信に、せまる 多香緒


「あの人が そんなこと

するわけないじゃないの」


あり得ないと言う ミク


「どうだかね」


懐疑的な 多香緒


「それじゃあ

本人に 聞いてみなさい !!」


いきなり、大声を出す ミク


「落ち着いてください

おばさん」


その頃


「安達太良さん

話しは 聞いてますよね」


安達太良の元へ、訪ねて来て

いきなり、ビジネスの話しから

入る かななん


「ああ

次の 作戦で チームを

組むって 話しだろ」


突然、かななんと ねるなのが

押し掛けて来たので、少し

不機嫌な 安達太良


「そうです

どの 金杯を 狙うんですか?

プランを 教えてください」


かなり、かかり気味な

かななん


「プラン?

狙えそうなヤツを狙う

・・・ってか 金杯を狙うとは

限らないぞ」


なだめる 安達太良


「いきあたりばったり

ですか

そんなんだから」


言いかけて、やめる

かななん


「なんだよ

その言い方は」


そんなのだから、ターゲットを

逃がすと、なじられたと

理解する 安達太良


「まぁまぁ

ケンカは ダメなの」


仲裁する ねるなの


「うーん

そうだな」


正直、かななんに対して

腹が、立っている 安達太良

ねるなのには、特になんの

感情もないので、素直に

言うことを聞く。

実際、ドローンを 操縦して

いたのは、ねるなのだと

知らないだけだが。


「次の ターゲットを

決めるまで 離しませんよ」


どうやら、決めないといけない

流れだ。


「参ったな

・・・次は ブラジルだ」


ちょっと、嫌がらせのつもりで

言ったら


「イイわね

すぐ 行きましょ」


完全に、乗り気だ。

計算外の、事態になる。


「いや

じょう」


「次の ターゲットは

ブラジルの 金杯だ

気合い入れて いくぞ」


「おーーっ」


「ちょ

待てって」

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