第27話:全身全霊。

プリティスは地球の生命エネルギー「マナ」を借りてルークを癒した。

プリティスは赤ちゃんヤギを救っていたので、あの時の経験が今に活かされていた。


彼女の手や体からオーラがあふれ出た。

部屋中が癒しのオーラでいっぱいに満たされて、小さな粒子がキラキラ

輝いていた。


「わ〜綺麗だ・・・」


チャーリーはイルミネーションの世界にでもいるように部屋の中を見渡した。

その光はまぶしいくらい輝いた。

チャーリーは生まれて初めて地球のマナを見た。


その光は外で待っているソフィアさんに窓越し見えていた。


プリティスはここまで強力な魔法を使ったのは初めてだった。

今まで、そんなピンチに見舞われたことなどなかったからだ。

だからルークを救う自信はなかった。


でも自分が頑張らないとルークは助からない。

彼女は自分の命と引き換えにルークを助ける覚悟だ った。


プリティスの治癒魔法は夜明けまで続いた。

時間は長くかかるけど、いつまでも病室にいるわけにはいかない・・・。


早くルークのの病気を治してあげないと・・・そう思ってるうちに

プリティスはとうとう力尽きて倒れてしまった。


どのくらいの時間が経っただろう。

病室の入り口でチャーリーも疲れて寝むっていた。


朝が白んできて、やがて窓に差し込む日差しでルークは目覚めた。


そしてふと自分の横になにかの気配を感じて体を少しだけ起こしてベッド

の下を見た。

すると、すぐ下の床に誰かがいることが分かった。

さらに前に体を起こしてよく確かめた。

するとそこにプリティスが横たわっていた。


「プリス・・・・」

「プリス・・・こんなところで何してる?」


その声でチャーリーが目を覚ました。


「あ〜知らない間に寝てた」


「お前ら、ここで何してるんだ」


「お前を助けるためにプリスが一晩中、魔法で治療してたんだよ」

「気分どうだ?」


「ああ、気持ちいいくらい快適・・・元気だよ」


「プリスは・・・僕のために一晩中がんばってくれてたのか?」


「病室中すごかったんだぜ・・・光の粒子がキラキラ輝いて・・・」

「まるで、クリスマスのイルミネーションみたいだったよ」


チャーリーは床に横たわってるプリティスに声をかけた。


「プリス・・・大丈夫?」

「生きてるんだよな・・・まさか死んじゃったりしてないよな」


でも、プリティスは死んだようにピクリとも動かなか った。


チャーリーはプリティスの顔に自分の顔を近づけた。

温もりはあったし、かすかに呼吸もしていた。


「うん暖かい・・・ちゃんと息もしてる」

「よかった、プリス、生きてるよルーク」


つづく。


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