第3話:ルーク・ ランドール。

「はい、なんでしょう?・・・」


そう言って女性が見ると、そこに金髪ロングにひっつめ三つ編みで耳が異様に

尖った女の子が立っていた。


「あの・・・こんにちは・・・」


女性はしばらくプリティスを見ていたが、すぐにその女の子が誰なのか分かった

ようだった。


「プリティス?・・・もしかして、あなたプリティスなの?」

「本当にあなたなのね」

「まあ、大きくなって・・・小さい頃の面影があったからすぐ分かったわ」

「それにお母さんによく似てる・・・」

「なに?ミルウィーズの里から来たの?・・・遠いところからよく来たわね」


その女性は懐かしい人に会ったように、顔から靴先まで見てまた顔に戻った。


「来るなら知らせてくれればよかったのに・・・」

「さ、中に入って・・・そのまま、土足でいいわよ」


「お邪魔します」


「お母さんは?、お元気?」


「はい、元気です」


「そう、お母さんがいた頃が懐かしいわ・・・あなたも小さかったし​ね」

「遠い道のりを来たのには訳があるんでしょ?」


「私・・・ルークに会いに来ました」

「ルークに?・・・ああ・・・そういうことね」

「あなたのお母さんもそうだったわね・・・プリティスのお目当はルークか・・・」


「子どもの頃約束したんです・・・大きくなったら結婚しようねって」


「あらま・・・その約束そのまま信じて今まで想ってたの?」

「ルーク、覚えるかしら・・・ちょっと待ってね」


女性は二階に向かって大きな声で誰かを呼んだ。


「ルーク、 降りてらっしゃい・・・お客さんよ」


そう言った。


しばらくすると二階から、プリティスと同じくらいの年頃の男の子が降りてきた。


「なんだよ・・・」


その男の子は、ちらっとプリティスを見たが、なんの反応もなかった。


すると女性が、


「プリティスよ、覚えてない?」


当然女性はその男の子の母親。


プリティスはルークに向かって笑顔で挨拶した。


「こんにちは・・・プリティスだよルーク、久しぶりだね」


「プリティス?・・・」


男の子はしばらく考えていたが・・・そこに立っていた女の子を見て不思議そうに

首をかしげた。


「覚えてないっつうか・・・いきなり言われても分からないよ・・・」


その男の子こそプリティスが幼い頃、将来を誓い合っ た本人その人だった。


名前はルーク・ ランドール、歳はプリティスより 一個上の18歳。

少し痩せ気味ですらっとしていて女の子にモテそうなの男の子だった。

身長は175センチ。

街にある学校に自転車で通ってる現役高校生。


お母さんは、たしかに彼のことを、ルークって呼んだ・・・。

ちょっとイケメンなその男の子には幼い頃の面影があった。


間違いなかった。


成長したルークを見てプリティスはときめいた反面、逆に彼のそっけない

態度に不安を覚えた。


自分が思い描いた出会いとは、少し違っていた。


ルークはプリティスのことをすっかり忘れていたからだ。


つづく。


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