婚約
サラダちゃんは、婚約指輪を置いて、またパスタ星に帰って行った。
うちは、サラダちゃんの置いていった婚約指輪を左手薬指にはめてみた。
「うわっ!ぴったり!」
「10年後に結婚するまで、はずせないってサラダちゃん言ってたよ」
って、くうり。
「えーっ?ほんとにー?そんなこと言ってたー?」
「うんっ!サラダちゃん、言ってた」
「うわっ!ほんとに、はずせない...」
うちの薬指に婚約指輪ぴったりと、はまったまま、引っ張っても抜けない。
「10年後に結婚なのねぇ。あやなっちとサラダ姫」
ってママ。
「えーっ?ママー!そうなのー?結婚なのー?うち、サラダちゃんと結婚するのー?」
「10年後に結婚するのかぁ。あやなっちとサラダ姫...」
ってパパ。
「う~わっ!パパー!やっぱり、うち、結婚なのー?サラダちゃんと結婚なのー?」
「10年後に、あやなっちとサラダちゃん、結婚しちゃうんだね」
って、くうり。
「こらー!くうりー!うちとサラダちゃん、結婚しちゃうのー?」
☆
次の日。
学校で、マーリアちゃんとイレーヌちゃんに、指輪を見せた。
「「うわーっ!なに、この指輪ー!めっちゃ可愛くて、なんか、神聖な感じするよー!」」
って、ふたりは、うちの薬指にはめてる指輪を見つめてる。
「うんっ!...これ...婚約指輪なの...」
「「婚約指輪?」」
「そうなの」
「婚約指輪って、だれとだれのー?」
「うちとサラダちゃんとの...」
「えーっ?あやなっちとサラダちゃんの婚約ー?」
「そう...サラダちゃん、うちまで持って来てくれたの...この婚約指輪を」
「「ってことは...あやなっちとサラダちゃん、結婚するのー?」」
「そうみたいなんだよねー10年後に...」
「「10年後かぁ!おめでとう!あやなっち!」」
「あ、ありがとう!...って、うち、サラダちゃんと結婚していいのかな~?」
「「あやなっちはサラダちゃんのこと好きなの?」」
「うんっ!好きー!めっちゃ好きー!大好きーーっ!」
「「それなら、いいんじゃないのー」」
「そう?...そっかな~?」
「「サラダちゃんも、あやなっちのこと好きだから、指輪持って来てくれたんだし...両想い...相思相愛だねー」」
「えへへ...って10年後なんだよー」
「「ちょうど良い頃よっ!ふたりにとって、10年後は!」」
「まあ、そうだけど...」
「「パスタ星では、そういう風習なのかなー?10年後の結婚相手に婚約指輪を渡すのって...」」
「そうなのかもねぇ...」
「「良かったね!あやなっち!おめでとう!」」
「ありがとう」
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