第六十三話 蔓草の傀儡師

 フィアートレントが一体、ダーティマッシュが三体。問題なく撃破したところ、トレントの根元に絡まっている箱を見つけた。


 木製の箱――まるで、トレントの身体の一部が変化してできたような箱だ。持ち運ぶには大きいので、倉庫の鍵を触れさせて転送しておく。


「その倉庫の鍵って便利ですねー、人間も送れたらいいのに」

「無生物と生物では、対応する転移魔法が異なっているから無理でしょうね。無事に転移できても、事故が起きないとは限らないわ」


 魔物の死体は倉庫に転送できるが、生きたままの場合は転送できない。『物質転送』と『召喚』では対応する魔法が異なると考えられる。


「えっ……じゃあ、罠かなにかで転移しちゃうと、すごーく危ないってことですか?」

「それは……無いとはいえないわね。八番区では聞かないけど、私のいた区では、質の悪い罠で命を落とす人は、どうしても出ていたから」


 罠対策としてテレジアの『指先術』は、優先して振っていった方が良さそうだ。もしかしたら、今拾った箱の罠を解除して開けることもできるかもしれないのだが――今のところ、餅は餅屋ということで、箱屋のファルマさんの助力を請うことにする。


「このトレントのつけている林檎は、小さい実しかないわね」

「希少なものだから、簡単には見つからないってことでしょう。五十嵐さん、探してくれてありがとうございます」

「何か林檎農家の人みたいですね、そのクロススピアで林檎の分別をしてると」

「……ふふっ」

「あ、エリーが笑って……エリーって滅多に笑わないから、見られると得をした気分になるわね」

「な、何を言ってるのよ。私だって普通に笑ったりしているわ。そうよね、アリヒト」

「ミサキの冗談で笑ってくれるなら、俺も笑わせられそうな気がしてくるな……と、雑談はそこまでだ。二階層の入り口は、どうやらあそこだな」


 二本の大樹の枝が有機的に絡み合ってできた通り道。いかにもダークファンタジー系の映画に出てきそうな場面だ。


「こっちの世界なら、ファンタジー映画をそのままの風景で撮影できるわね」

「あー、お兄ちゃんと一度は見に行きたかったですねー。迷宮国でもそういうものってないんですかね?」

「職業で、役者を選ぶ人も中にはいるから。そういう探索者の人たちがやっている劇場はあるけど、映画はさすがに無いわね。娯楽がないわけじゃないけど」


 探索ばかりでも心が擦り減るので、息抜きは重要だろう。休息日にするつもりだった今日に、臨時で出てきている俺が言うことでもないが。


 シオンが先に行きたそうに、二階層への道――霧が立ち込めていて先が見えない――を見つめている。


 ゲオルグたちのパーティが敗れた魔物が、その向こう側にいる。切り札である士気解放を使える状態で戦いたいが、現在の士気は66――迷宮に入ってからの時間が30分ほどということになる。


(今の俺が一度に上昇させられる士気が11で、9回で99……これでは効率が悪い。一度に12上げられれば、40分でチャージできる。何とか、このチェイングラブの他に、『味方を強化する技能を強化する装備を見つけないとな)


 もしくは、他に士気を上げる方法を得るか。エリーティアが知らないということはよほど希少な道具が必要か、珍しい職業でないとできないと考えられる。


 あと20分待てば士気解放できるなら、それからでも遅くはないか――そうは思うが、ゲオルグの姿を思い出すと、一分一秒でも早く『北極星』を救助しなくてはならない。


「よし、進もう。二階の探索中に士気解放ができるようになる……それまでは、慎重にな」

「ええ、分かったわ。シオンちゃん、行きましょう」


 バウ、とシオンが吼えて、先頭を進んでいく。迷宮に入った時と同じように、再び深い霧で視界が奪われる――すぐ前を歩くミサキとスズナを見失わないよう、俺たちはぼんやりと明るくなっている前方へと進んでいった。


 ◆◇◆


 二階層に出ると、一階層よりも空気の湿り気というか、重々しさが増している。


「ひゃっ……び、びっくりした。なんですかね、あの不気味な声……」


 ギャアギャア、とでも形容すればいいのか。鳥のような、見たこともない動物のような、奇妙な声が森の中から聞こえてくる。


 『鷹の眼』で見える範囲には何もいない。ゲオルグたちがここを通ったのは間違いないと思うが、痕跡のようなものも残されていなかった。


 シオンがクンクンと鼻を利かせるが、やはり今のところ異常はないようだ。


「一応、道はあるけど……ずっと放置したら、草で覆い尽くされてもっと探索が難しくなりそうね」


 エリーティアは進む邪魔になりそうな背の高い草を、剣で切り払いながら進んでいく。再生が速いのか、切った先から生育する気配を見せている――木やキノコの魔物を見た後では、ただの草でも敵なのではないかと思えて、何とも不気味だ。


「後部くん、念のためにブレイブミストをかけておいてもいい? さっきの木が突然出てきたら危ないでしょう」

「はい、ぜひ。魔力の消費がそこそこ大きいですから、そろそろチャージしますね」


 ◆現在の状況◆


 ・『キョウカ』が『ブレイブミスト』を発動

 ・アリヒトが『アシストチャージ』を発動 → キョウカの魔力が回復


「っ……あ、後部くんも魔力は大事だと思うから、そんなにぽんぽん回復しちゃだめよ」

「……キョウカさんに、アリヒトさんの温かい力が流れ込んで……こんなふうに労られたら、すごく心が休まりそうです」

「あ、スズちゃんもそういうこと考えたりするんだ。なんか気持ちよさそうだよね」

「そ、それは……魔力っていうのは、心の生命力みたいなものだから。回復すると、気分がよくなるのは当然のことよ」


 エリーティアがフォローしてくれたので、五十嵐さんに恥ずかしい思いをさせずに済んだ――というか、もしかしてアシストチャージは発動するたびに信頼度が上がっているのだろうか。


 狙っている女性にアシストチャージをしまくる自分を想像してみる――なんて悪どい。もちろん支援回復も悪用してはいけないわけで、濫用はご法度だ。


「いいなー、私もお兄さんに魔力を分けて欲しいです。そうしたら、そんなに魔力を注ぎ込んじゃらめぇぇぇ! ってできるんですけど」

「ら、らめぇじゃない。みんな恥ずかしがってるだろ、あまり自分を捨てた冗談を言うんじゃない」

「あはは、すみません。あんまり不気味なので、冗談言ってないと落ち着かなくて……あれ?」


 先頭を行くシオンが立ち止まる――少し進んだ先に、森が開けて広場のようになっている場所があり、そこを見据えて動かずにいる。


「バウッ」

「……シオン、何かいるの? この先に」


 二列目のエリーティアが声をかけても、シオンは尻尾と耳を立てたまま、振り返らずに前方に注意を向けている。


「……人……あれは……」


 草の茂った広場の中央に、一人の女性が立っている。顔に髪がかかっていて、その表情は読み取れない。髪が白いが、それは元からの体質なのか、年齢は五十嵐さんと同じくらいか、もっと下だろうか。


 女性はこちらに近づいてくる。身に着けている装備がところどころ壊れている――しかし、それほどの外傷はないようだ。


「あなた……『北極星』の一員? 無事で良かったけれど、仲間の人たちはどうしたの?」


 白い髪を肩の辺りまで伸ばした女性は、エリーティアの声に応じてようやく顔を上げる。肌は青白いが、彼女は俺たちを見ると微笑みを見せた。


 人懐っこくも見えるが、どこか妖しい――そんな表現をしては失礼だとは思うが、彼女にはあまりにも生気がなく、何かが不自然だと感じる。


「私の仲間は元気にしているわ。この先で休んでいるから、あなたたちも来ない?」

「そう……良かった。『名前つき』に襲われたと聞いたけど、何とか逃れられたのね」

「ええ、何も危ないことはなかったわ。私の名前はソフィっていうの、よろしくね」

「私はエリーティアよ。このパーティで前衛を務めているわ」


 ――エリーティアは話しつつも、警戒を解いていない。いつでも剣を抜けるようにしているのが、俺にはわかる。


 ゲオルグの言っていたことと、彼女の言っていることはそぐわない。全滅の危機に陥ったというのに、やけに落ち着いているのもおかしい。


「俺たちは一階でゲオルグに会った、彼はもう、迷宮を脱出した……あんたたちも、一度脱出した方がいい。必要なことがあれば、俺たちが手伝うが」

「脱出……? そんなに慌てて出る必要もないと思うけど。そうだ、『名前つき』を倒したあとの収穫を私達だけじゃ持て余しているから、あなたたちも持っていかない?」


 女性が手を合わせて言う。『名前つき』を倒した――元序列1位のパーティならば不可能ではないと思うし、ゲオルグが訳あって逃げなければならなかっただけで、彼が思うほどの危機ではなかったという可能性もある。


(――装備が壊れて、武器も持っていないのに?)


 ゲオルグの言っていた、『北極星』の紅一点。彼女がどんな職業であるかは聞いていなかったが、レザーの軽鎧などの装備から、シーフやローグ、あるいは身のこなしを重視した剣士のたぐいだと考えられる。


 しかし彼女は腰に鞘を差しているが、そこにあるべき武器がない。革の胸当ては大きく破損して、応急措置ということか、草が胸に巻かれて肌を隠している。


「……強敵と戦って大変だった後に、こんなことを聞くのも何だが。その名前つきは、どういう相手だった?」


 これは念のための質問だ。ゲオルグがくれた『名前つき』についての数少ない情報、それと合致しているようなら、彼女を疑う必要はなくなる。


 ――足元から化け物のような草が出てきて、仲間の体力を吸った。


(……草……?)


「――ワォォンッ!」


 ◆現在の状況◆


 ・『シオン』の『危険察知1』が発動

 ・『ソフィ』の『傀儡』状態を察知


「――みんな、その人から離れろっ!! 『気を抜くな』っ!」

「っ……まさか……!」


 ソフィと名乗った女性が再び俯く――その口元に、今までと違う狂気じみた笑みが浮かぶ。


「どんな魔物か知りたい……? それなら、教えてあげる。あなたたちも『養分』になりなさい……!」


 ◆遭遇した魔物◆


 ★蔓草の傀儡師:レベル5 戦闘中 ドロップ:???

 ソフィ:レベル4 傀儡 ドロップ:

 ジェイク:レベル4 傀儡 ドロップ:???

 ミハイル:レベル4 傀儡 ドロップ:???

 タイラー:レベル4 傀儡 ドロップ:???


 シオンが警戒していた、森の開けた空間。その足元の土が何箇所も爆発的に盛り上がり、天をくような勢いで草が飛び出してくる。エリーティアはそれを見て息を飲んだ。


「……なんてことなの……やっぱり、『北極星』は……」


 ――全滅し、魔物によって操られている。そうとしか思えない光景だった。


 地中から飛び出した草は、絡み合って繭のような形を形成している。その中から現れたのは、全員がその髪を真っ白に染め、生気を無くした冒険者たち――おそらくは『北極星』の面々だった。全員が、全身に草を巻きつかせている――あれによって体力を吸われると同時に『傀儡』にされ、操られているのだろう。


「養分を増やさないと……もっともっともっともっともっと、増やさないと……!」


 ソフィの背中から草が伸びて、身体の一部に巻き付いていた草が、一気に全身に広がって絡みつく――そして、巻きついた草が幾つもの水色の花をつける。


(本体を倒せば、北極星のメンバーを解放できる……そう考えて戦うしかない。だが、本体はどこにいる……地中だとしたら、どうやって引きずり出せばいいんだ……!?)


「――オマエも養分になるんだよ、犬ころっ!」


 ◆現在の状況◆


 ・『ジェイク』が『パワーストライク』を発動

 ・アリヒトの『支援防御1』が発動 → 対象:シオン

 ・『シオン』に4ダメージ

 ・『シオン』の『テールカウンター』が発動 → 『ジェイク』に命中 支援ダメージ11


「――ワォォンッ!」

「ぐぉっ……!?」


 レベル4のジェイクが繰り出したメイスによる一撃が、シオンに通ってしまう――シオンのレベルも4なので、俺の支援防御をかけてもノーダメージにはできなかった。


 しかしカウンターの打撃の方が明らかに大きく、ジェイクは吹き飛んで地面を転がる。それを見ながらもひるまず、ミハイルという魔術師らしき男と、斧を装備したタイラーという男が襲いかかってくる。


「よくもシオンちゃんを……!」

「キョウカ、テレジア、待って! アリヒト、この人たちは……っ」


 まだ、救うことができるのか。それとも、操られれば元に戻らないのか――。


 支援防御でも無傷では済まない相手に、手加減して時間を稼ぐなど甘いことは言っていられない。


(『傀儡』の状態異常を解除できるとしたら、スズナの『お祓い』……水を生成して、『水垢離』を使うか。どちらにせよ、ジェイクとタイラーを前にしてスズナを前に出すのは危険すぎる。何か方法はないのか……何か……!)


 ◆現在の状況◆


 ・アリヒトの『鷹の眼』が発動 → 『★蔓草の傀儡師』の行動を察知


 そのとき、巡る思考の中で、ソフィの挙動が俺の意識に割り込んでくる。


 いや――ソフィの後ろ。背後にいる何者かの敵意が、ミサキに向けられている……!


「――私もいることを忘れないでもらえる?」

「っ……みんな、『足元』からだっ! 飛び退いてくれっ!」


 悪寒を押さえつけるようにして叫ぶ。俺の支持に従った皆がその場から飛び退いた直後だった。


 ◆現在の状況◆


 ・『★蔓草の傀儡師』が『傀儡草』を発動


「きゃぁぁっ……!」

「――ミサキッ!」


 後ろに飛び退こうとしたミサキが尻もちをつく――そのすぐ目の前の地中から草が飛び出してくる。スズナがミサキの身体をさらに引っ張って草から遠ざけているうちに、俺はすかさず魔力弾をスリングにつがえて放った。


「テレジア、加勢してくれっ!」

「っ……!!」


 ◆現在の状況◆


 ・アリヒトが『フォースシュート・スタン』を発動 → 『傀儡草E』に命中

 ・『傀儡草E』がスタン

 ・テレジアが『ダブルスロー』を発動

 ・『傀儡草E』に一段目が命中 支援ダメージ11

 ・『傀儡草E』に一段目が命中 支援ダメージ11

 ・『傀儡草』を1体討伐

 ・『★蔓草の傀儡師』の体力が減少


 草の魔物にスリングを撃ち込んでも手応えがなかったが、テレジアが追い討ちをしてくれたおかげで、支援ダメージも込みで倒すことができた。


 やはり固定ダメージは万能だ――そしてライセンスの表示に目を走らせると、本体の体力が削れているとわかる。


「あなたも僕達と一緒になりませんか……? そうすればもっと強大な存在になれますよ。さあ、この手を取って……ケヒャヒャヒャヒャッ!」

「おあいにくさま……っ、知らない人の誘いは受けないようにしてるのよっ!」


 ミハイルというそばかすのある短髪の青年は、口角泡を飛ばしながら雷の魔法を撃ち出してくる――五十嵐さんはそれを『ブリンクステップ』で避けると、槍の柄の方を繰り出して突きを入れる。


「がぁっ……ケヒャ、ケヒャヒャ……もっと激しく叩いてくださいよぉ……!」

「っ……こ、このっ……!」


 仕留めるわけにもいかず、五十嵐さんが加減して攻撃してもすぐに立ち直る――痛烈な突きではあるはずなのに、傀儡状態では痛覚が消されるようだ。


「おんな……おんなぁぁぁぁあああああっ!!」

「くっ……!」


 タイラーが斧を振りかぶり、エリーティアに振り下ろす。彼女はそれをステップで避けるが、反撃には移らない。レベルの差があるために、殺してしまう可能性があるからだろう。


 操られているからなのだと思いたいが、欲望をさらけ出して吠えながら力任せに斧を繰り出すタイラーに、エリーティアは明らかに精神力を削られている。相対するだけでも、相当に心労を重ねる相手だろう。


(傀儡状態である限り、彼らの動きは止められない……傀儡草を回避して地表に出てきたところを叩くことを繰り返せば、いつかは……本当にそうか?)


 傀儡草を倒し続ければ本体を倒せる。それに賭ければ、前衛に負担を強いて耐え続けることになる――終わりが見えなくても。


「アヒャヒャヒャヒャ! そうやって回避する姿も美しィィィ!!」

「くぅっ……いちいちいやらしいことを言わないでっ、このっ……!」


 五十嵐さんの魔力がブリンクステップを発動したことで僅かに減る――そして操られているとはいえ、ミハイルの視線が、戦乙女装備の五十嵐さんに向けられている。


 ――音もなく、俺の中で何かが『切れる』。俺はあくまでも冷静だ、理性を失ってなどいない。


「……俺でも凝視したことはないんだがな。カルマが上がるって教わらなかったか?」

「えっ……ア、アリヒトお兄ちゃんっ……?」

「アリヒトさん……怒っていらっしゃるんですね……私も、気持ちは同じです」


 『北極星』のメンバーは悪くないとわかっているが、俺の仲間をあまりそういう目で見てもらいたくない。ならばどうすればいいか――ミハイルの行動を封じる、それしかない。


「――来い、デミハーピィ!」


 ◆現在の状況◆


 ・アリヒトが『デミハーピィ』を三体召喚


 首にかけていた召喚石のペンダントを引き出し、呼びかける――すると俺の周りに三つの魔法陣が生じて、光の柱が立ち、その中にデミハーピィたちが姿を現した。


「っ……アリヒト、一体何を……っ」


 エリーティアはこちらを振り返る余裕がある。しかしタイラーの方はどうかと言えば、目も当てられないほどに本能剥き出しだ。もし今の記憶が残っていたりしたら、正気に戻ってから相当なトラウマが残りそうだが、今はとにかく彼の動きも封じなくてはならない。


「しばらく寝ててもらうだけだ……みんな、『歌って』くれ!」


 ◆現在の状況◆


 ・『デミハーピィA』が『眠りの歌』を発動

 ・『デミハーピィB』『デミハーピィC』が『輪唱』を発動

 ・『ジェイク』『ミハイル』『タイラー』が睡眠

 ・『眠りの歌』の効果が『輪唱』によって継続


 デミハーピィたちは羽ばたいて空に舞い上がると、三人で歌い始める――『輪唱』というのは初めて見たが、こうやって絶え間なく歌い続けているうちは、眠っている三人が起きる可能性は低いと考えられる。


「こんな手があったのね……アリヒト、あなたって人は本当に……」

「はぁっ、はぁっ……でも、ソフィさんがまだ……どうして彼女は眠らないの?」


 ソフィは眠りに耐性のある装備をしている――いや、違う。


 さきほどソフィが動いたときに、ライセンスには『蔓草の傀儡師』が『傀儡草』を発動させたと表示された。


 ――ソフィは他の三人より、傀儡師本体の影響を大きく受けているのだ。

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