第2話
メール友達ができ、しばらくメール交換が続いても、いつの間にか自然消滅してしまう人もいれば、その後何年間も続く人も居る中で、常時5人位のメル友と連絡が取れるように、新たな電話番号にSMSの絨毯爆撃を続けて居たのだけれども、その中で『なおちゃん』という女性と知り合い、メール交換を始めることになりました。
どうやらなおちゃんには留学経験があるらしく、そのホームステイ先で台湾から来た留学生と親しくなり、いつしか恋心を抱くように。
しかしその気持ちや関係にしっかりと整理が着く前に留学の期間が終了し、それぞれの国に帰国してしまったのだそうです。
その後も国際電話や手紙などで細々と連絡を取りあっていたのだけど、離れ離れとなり相手の心も次第になおちゃんから離れてしまうのを感じて、やり場のない焦りを感じていた彼女。
彼女が留学から帰国した後にメル友として知り合った私達ですが、そこからずっとなおちゃんの相談に乗っており、よく判らない状態のまま、なんとなく励ましたり、元気が出るように応援し、その後も切ない恋愛相談は続きました。
そんな状態が数ヶ月続いた金曜日の深夜2時頃に、突然電話が掛かってきました。
ビックリして飛び起き、眠い目を擦りながら電話に出てみると、なおちゃんが「ふ~ら~れ~たぁ! うわ~ん!」と小さな子供のように大泣きしていたのです。
この時までに1~2回程度は「電話で相談したい!」と誘いが有ったので、既に声は聞いていたのですが、こんなに子供みたいにうわ~んと泣く女の子と話をするのは初めてだったので、どうしたら良いのかオロオロしていると、「慰めに来てぇ~、今からぁ!」と有無を言わせぬ無謀なお願いをされてしまいました。
仕方がないのでどこに住んでいるのか聞いてみると、どうやら偶然にも同じ県内に住んでる模様。話を詳しく聞いてみると、車なら一時間程度で行けそうな場所でした。
急いで身支度を整え、当時同居していた家族に迷惑が掛からないようそっと家を出ると、少し離れた場所に借りていた駐車場から、静かに車を出しました。
まだ顔も見たことが無い相手。
声は聞いたことが有るけれども、彼女には好きな相手が居るので、まさか直接会うことになるとは思ってもみませんでした。
そして、この後一体何が起こるのだろう?
正直言ってこんな夜中に呼び出されて迎えに行ったとして、慰めるために何をすれば良いのかを考えてみたのですが、ちょっぴりえっちな期待感しか高まらず、なおちゃんには悪いのだけど、道中勝手に気分が盛り上がってしまうのを抑える事が出来ませんでした。
当時の私は20代後半に差し掛かっており、なおちゃんも私より1~2歳年下の20代中頃。
そして私はこの時、残念なことに…というか、恥ずかしながら女性経験は皆無だったのです。
なおちゃんが可哀想と思う気持ちと、今夜は何かがが起こるかもしれないという期待で、変な妄想が全開になりながら車を走らせると、指定された場所に到着しました。
そこは割と新しい高級そうなマンションで、そのエントランス付近に彼女が立っていました。
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