ビーポービーポウゥッ
エリー.ファー
ビーポービーポウゥッ
一週間前から準備しても、こんな扱いになるなら最初からやらなきゃよかったよ。
心を強く持つ。
支配するのはいつだってスーパースターの特権だ。
集中力なんて幾らでも湧いて出てくる。
後先考えずに生きるのは、誰にでもできることじゃない。
そうだろう。
スキンヘッドミルク。
アーモンドバースト。
光の中で生きている自覚がある。
ヤアッ。
ワッツ。
アァンッ。
「挑戦をしなければ意味がない」
「勝つんだろ」
「大逆転劇。それでいいじゃないか」
「そういうドラマに頼らざるを得ない状況にいる時点で負け組である自覚を持て」
「数字で作り出す古城のドラマってヤツさ」
「勝てる試合だぞ」
「サッカーが大好きなんです」
「もしかして、タッチダウンなんじゃないですか」
「何度だって言おう。こういうゲームだぞ」
「チーズの香りがする」
「分からないでもないな」
「行けるか」
「行くか」
「行くぞ」
「かませ」
「戦え」
「勝つぞ」
「いいな、負けるなよ」
「勝負だぞ」
「勝つために必要なことが山ほどある」
「積み上げろ」
「叩き潰せ」
「やってやれ」
「ぶっ殺せ」
「ぶっ潰せ」
「叩き潰せ」
「叩き殺せ」
「いけっ、おらっ」
申し訳なさ程度のピアノの音の中で、私と貴方のランデブーが始まった。
ワインの香りが鼻をくすぐってくるのは、きっと涙声によって生み出された雨天のビルを見つめているから。
完全からほど遠い恋心ほど、魅力的なものはないでしょう。
分かりやすく手の中で飼いやすい存在を、若さ、と呼ぶのは余りにも横暴。
考えてもみて下さいな。
貴方自身の能力の低さでコントロールできる人間の範囲が狭いというだけでしかないではありませんか。
まるで社会のせいにして、自分の恋愛能力の低さを棚に上げる浅はかな生き方。
低い音かた高い音まで、指で落とすのではなく、指の腹で乱暴に弾き鳴らすようなダサさ加減。
ブザー。
押し間違い。
君の考えは、今日も間違えている。
君は、僕を理解できていない。
君なんて、どうでもいい。
違うでしょ。
おバカさんが。
貴方が誰にも相手をされないから、貴方以外の人に呪いをかけているだけでしょうが。
やめましょうよ。
下らないから。
やめましょうよ。
貴方だけしか困ってないんだから。
やめましょうよ。
自分の人生で結果が出なかったのに、身近で結果を出した人がいた時に、昔知り合いでした、という肩書で残飯を漁ってプライドを守るのが、流行っているのですか。
実力と才能の無さをプライドの高さで水増しするのが、凡人の間では、もっともらしい生き方として流行っているのですか。
ねぇ。
その流行って、どこから始まったのですか。
私は、知りません。
私の住んでいる世界にその自尊心の保ち方はありません。
私の知っている人たちで、そのような自尊心の保ち方をしようとする凡人どまりのプライドだけはご立派に高い五流はおりません。
本当に、本当に、ただただ純粋にお聞きいたします。
教えて頂けないでしょうか。
その些末な生き方は。
御両親からの教育ですか。
それとも先輩から。
それとも身の回りの御友人から。
それとも。
そのような生き方を粋で美しくて勇ましいという宗教にでも入っておられるのですか。
あなたのことですよ。
ねぇ。
あなたのことです。
ごめんごめん、冗談冗談。
もう、君のこと、いじめないから。
ごめんね。
ビーポービーポウゥッ エリー.ファー @eri-far-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます