第2話 はじめまして
わたしが、初めてくつを見つけたのは、3年生のころです。ちょうど半年ぐらい前ですね。その時は、茶色のサンダルだったと思います。
わたしが初めてそれをみた時、とてもびっくりしてしまいました。
だってくつですよ。くつ。これが、ハンカチとかなら落としちゃったんだなーと思うのですが、
くつを落してしまうおっちょこちょいさんがいるだなんて考えもしませんでした。せかいは広いです。
そうして、一通りびっくりした後、今度はこうばんに届けなきゃとも思いました。
だって、落としものです。
おかあさんだって、おとうさんだって、先生だって、落とし物があったら交番に届けましょうと言っていました。だから、やらなければいけないのです。
だって、正しくて、よいことなのですから。
一日一回はよいことことはやるべきです。これは、校長先生が言っていました。わたしもそう思います。そういうわけで、わたしは、その茶色いサンダルを片手でつかんで、交番に持っていくことにしました。
その考えは、とてもとてもすばらしい考えだと思って、それをおもいついたじぶんに思わずわらいかけてしまいました。
ふぁいとー!!と元気を出して一歩、二歩とこうばんへ近づきます。
しかし、五歩目ぐらいで、ようやく気づきます。
こうばんがとても遠いところににあると。
いつも車で行くスーパーのとなりにあるのです。
歩いて行けるわけがありません。
もし、いけたとしても、いえに帰る時間をやぶってしまいます。それはいけないことです。おかあさんにおこられてしまいます。それはいやなので考えます。
考えて、考えて、おかあさんにつれていってもらうことにしました。
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