健常者が捧げられる医療とは、人道的と言えるのだろうか

明らかにフィクションではありますが、重く深い世界観が読者にそれを「ありそうだ」と思わせ、命の扱い方について考えさせらました。

病や寿命の都合で最期の時へ近付いていくのではなく、国の制度で余命を定められてしまう。
逆らう道理も、異議を申し立てる余地も認められていない。

臓器くじに当たってしまい、そんな状況に陥った主人公の心の変化には、こちらの胸も痛くなるほどでした。
作者の高い技量も伝わって来る素晴らしい作品です。