姉の奇行:鈴視点

 嫌な予感がして学校を早退してみれば案の定私の予感通り奏斗は家にいなかった。

 奏斗のことだ。ちょっとくらいなら大丈夫だろうと家を出たのだろうが私を騙せるわけがないのだ。


 私、鈴は弟である奏斗のことが好きだ。いや、愛している。もちろん異性として。


 だからこそ昨日のことは私の人生の中で最大の失態だ。なぜあの二人を放っておいて風呂になんか入ってしまったんだろう。

 二人のことを縛っておけば、奏斗と一緒に入浴していればあんなことにはならなかったのに。


 舞も星音も奏斗のことが好きなのは一目瞭然だった。奏斗は鈍感だから気づいていなかったようだが、あからさますぎて吐きそうになるくらい気持ち悪かった。


 だから監視目的でやっていたことなのに…。


 奏斗のファーストキスまで奪われてしまった。私がもっと先に行動を起こしていれば…今更後悔しても遅いのは分かっている。

 奪われてしまったものは奪いかえせばいいだけだ。


 奏斗とずっと一緒にいた私が負けるはずがないのだから。







 泥棒猫である星音に捕まっていた奏斗を救い出して私は家へと帰ってきた。奏斗はすぐに二階の自室に向かってしまい出てくる雰囲気はない。


 これもすべて星音のせいだ。

 もしあいつの言っていることが本当なら、奏斗の初めては…だめだ、考えるだけでもイライラが止まらない。


 作戦を考えないと、冷静にならないと。


 私はサニタリーポーチから奏斗の下着を取り出すと、匂いを堪能してから顔に被った。


「奏斗の匂い…男の子の匂い…」


 ブルル、っと身体が震えて自分が興奮しているのが分かる。

 だめだ…濡れてきちゃった。これも全部かっこよすぎる奏斗が悪いんだからね。


 私は慌てて下着を着替えて勝負下着を装着した。

 奪われたものは奪い返す。


 上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる上書きしてやる。


 私のことしか考えられない体にしてあげる。


 私、初めてだけど奏斗なら優しくしてくれるよね。

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