衝撃の告白
舞さんと星音さんは姉さんになんの抵抗も出来ずまま家から追い出されてしまった。
帰るときに星音さんが何か言おうとしていた気がするが姉さんの邪魔が入り、しっかりと聞き取れることが出来なかったのが悔やまれる。
学校であった時に何を言いたかったのか聞いてみよう。きっと先ほどの星音さんの姿は幻だ。
俺は悪い夢を見ているのだろう。姉さんが親友にあんな態度を取るわけがないし、目からハイライトが消えるだなんてラブコメ世界のヤンデレヒロインじゃあるまいしな。
姉さんは頭を冷やすと自室に閉じこもってしまい、話をしようにも出来そうにない。
一応試しに姉さんの部屋をノックしてみたが返事は帰って来なかった。
なぜだろうか。俺は嫌われてしまったのか?
とりあえず小腹が空いた俺は冷蔵庫の前に立つと冷凍庫からアイスを取り出して袋から出すと、さっと口に運ぶ。
冷たい。
思考のし過ぎでオーバーヒートしていた俺の脳がアイスの冷たさによって冷まされていく。
「美味かった」
そして俺はそのままテレビをつけようと…する前に欠伸が出たので今日は眠ることにしたのだった。
ん、なんだこの感触は。
やけにいい匂いだ。俺布団にシャンプーみたいなのかけたっけな。
いやそんな馬鹿なことするわけないから布団の匂いではないな。
だからと言って俺の匂いでもない。
だとすると他の選択肢は…
「姉さん!何してるの!」
匂いの犯人は姉さんだった。
俺は慌てて布団から飛び起きるとすぐさま姉さんから距離を取る。
「あ、起きたんだ。おはよう奏斗」
「おはよう姉さん…じゃなくて!」
「なんでここにいるのか、でしょ?そんなの奏斗の寝顔を見たいからに決まってるでしょ」
俺の寝顔なんかを見るためにわざわざ俺の部屋に来るわけがない。小さい頃から嫌というほど俺の顔なんて見てきただろうに。
俺が赤ん坊だった時に関しては泣きわめく俺が邪魔じゃなかったんじゃないのかよ…何自分で自分をディスってるんだ俺は。
姉さんはそんな人じゃないってのは俺が一番わかっているはずなのに。
「それとも奏斗は私が一緒に寝るのは嫌なの?」
「いやそういうわけじゃないけど…」
「けど?」
「いや、なんでもありません」
「そ」
何か今姉さんから危ない空気を感じたな。明らかにやばいやつだった。
もし嫌と言っていたらどうなっていたんだろう。
「あ、そうだ。今日から奏斗は一週間学校休みになったから」
「は?」
姉さんからの衝撃の告白に俺は口をあんぐりとあけることしかできなかった。
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