世界
世界を二つに分けるとき
わたしと
わたし以外
というやり方があると聞いた
わたしは
わたしというからだが及ぶ範囲でもあるし
わたしというこころの及ぶ範囲でもあるし
だから
わたしがむしろ世界だ
ともいえるかもしれない
わたし以外は
わたしのからだがなく
わたしのこころもない
しかし
ざんねんながら
わたし以外も世界でしかない
わたしは
からだにかぎりがあり
こころはかぎりなくかぎりないが
わたし以外は
からだにもこころにも
かぎりがあるか分かりようもないが
分からないものの大きさでもって
すでにわたしより大きい
そもそも
わたしは
わたしが手を上げる
と思うよりまえにわたしの手は上がっていて
しかしそれは
わたしが手を上げる
と思わずにわたしの手が上がることとは
ちがうことだと
わたしのこころは信じていて
とすれば
わたしですら
わたしのすべてには及んでいなくて
そんな世界に
わたしがいる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます