4.何もしなければ日本の創作は“崩壊”する

 今回、自分は「それ散る」を買った報告の日記のようなものを書いて終わりにするつもりだった。しかし、やはりどうしても納得がいかない。


 ここ最近では、イラストシナリオ共に優れていると思っていた作家が、恐らく金で大手に引き抜かれた挙句、今まで連載していた作品をリメイクという形で一から書かされ、数巻で完結させられたと思えば、原作のあるもののコミカライズを担当させられており。その単行本も出ているようだが、買えばその選択を肯定することになり、買わねば作者の寿命が短くなる地獄絵図となっている。


 自分はずっと「早ければ二十年、遅ければ五十年で日本の創作は壊れる」と主張している。この主張もし始めてからかなり経つので、下手をすればもう十五年か、二桁無いところまで来ている恐れがある。この直感的。いわば第六感的な感触は当然理論的に説明出来るはずもなく、同意を得られたことはない。どころか、一体何の証明になるのかも分からない数字を持ち出してどや顔をされるのが関の山だ。


 正直に言えば、日本の創作は見捨てた方が楽なはずだ。沈みゆく泥船から、「自らは泥船に乗っているという自覚の欠片も無い人々」を救い上げるのは至難の業だ。


 ただ、やはり、どうしても諦めきれない。他の趣味ならばどうぞ滅びてください、すたれてください。オワコン化してくださいとにっこり笑顔で言えるだろう。でも創作だけはどうしても難しい。ぱはり、切っても切り離せないのだ。自分が死ぬか、日本の創作が復活するか。二つに一つと言っていい。

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