第18話 運が悪い者
―――今日のしし座さんの運勢は12位!今日は朝から運がありません!対人関係に注意!
赤の信号前で女性は携帯の星座占いを眺めていた。
(今日は運が悪いのかー!この占い当たるから怖いんだよねぇ……)
小走りで電車乗り場へと向かうと彼女はふと時刻看板を見上げる。
〇〇行 運転見合わせ中
(えーーー!!運転見合わせー!?ほんとついてない!会社絶対遅刻する!連絡しなきゃ)
彼女は携帯をポケットから取り出すと急いで上司に連絡をする。
「おはようございます!✕✕主任、電車が運転見合わせで本日遅刻になるかもしれ―――」
「遅刻!?今日、朝一で大事な会議があるのよ!?もう少し早めに家から出れば良かったんじゃないの!?もういい!」
―――ブツッ
一方的に上司に怒鳴られ、挙句の果てに通話を切られた彼女は涙目になる。ホームのベンチに座り自販機で購入した飲み物で心を落ち着かせると運転見合わせは解除され彼女は会社へと向かう。
「すみません、遅れ―――」
「おい!✕✕主任!これはどういう事だ!?」
彼女が勢いよくドアを開けると主任を前に課長の怒鳴り声が部屋に響き渡る。
「部下が遅刻との事で……」
「部下!?この会議の資料、全部お前が作ったと話していたじゃないかっ!自分で作った資料が何故、自分で説明出来ないんだ!!」
課長に怒鳴られている主任。彼女はその場を見た途端
(会議の資料作ったの私なのに主任自身が作ったとか課長に言っちゃったんだろうな~!そういや主任も、しし座だっけ?)
心の中で呟くとしし座の運勢が悪くて良い日だなと思った瞬間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます