幕間 同時刻 コミュニティ ラッカーズサークル東部
同時刻 コミュニティ ラッカーズサークル東部
「リヴィ。もうそろそろ怒りを鎮めてくれてもいいんじゃないか?」
白髪頭の男はその一室の面積の多くを占める巨大なソファーで横になっている耳のとがった少女に向けておずおずとそう言った。
だが、リヴィと呼ばれたその少女は反応を返す素振りは一切無い。それどころか、体を横にして反対側を向いてしまった。
「頼むよ。この通りだ」
そういった男は手を合わせてみせた。少女はちらりと男の方を見はしたが、その態度は先ほどと変わらない。ソファーの上でそっぽを向いたままだ。
さすがの男も疲れてきたのか、ため息がその口からこぼれる。
「……別に、今のうちはそれでいい。でも彼が来たら先輩としてしっかり頼むよ?」
男はそういうと、部屋の奥にあるキッチンでコーヒーを淹れた。リヴィと呼ばれた少女はというと、男の「先輩」という言葉に反応して耳を動かしたが、それきりで、特に変わった様子は無い。だが、男はそんな彼女を見て、どこか安心した表情のままコーヒーをすすって再び椅子に戻ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます