第4話 ひとがら

 「田嶋さんは、土曜日お休みだって言ってたでしょ?

僕、実は今日仕事でさ、車で通勤してるから、ごめんね、一緒に飲めなくて」


「えっ、お仕事だったんだ?お疲れさま。

どこの会社なの?」


「駅」


「駅?」


「あぁ、うん、JR」


「JR?そうなんだ~」


「今日、仕事17時半までだったんだけど、楽しみ過ぎて、速攻で改札口行っちゃって、時計みたら、37分で笑っちゃった。

しかも、窓口のやつら みんなに見られてた」


「えっ、そうだったの?」


この人は、なんてゆうのか、素直で穏やかな人だな。

会社も、JRなら申し分ないな。


美味しいね!!って、本当においしそうに食べる。

箸の使い方とかもきれいだ。

初めて来たお店だけど、田嶋さんが “”うなぎ“” ってリクエストしてくれたから、ここに来ることができた、ありがとうって。


田嶋さんのことも、もっと知りたいな。

いろいろ聞いてもいい?って。


自分のことだけをペラペラと自慢げに話すわけでもなく、私のことをただただヨイショして褒めまくるわけでもなく、会話がとても自然で、気遣いのできる人。


私は、今まで、見た目重視だったけど、やっぱり人柄が大事だよな~。


食事が終わって、石中君は私の分も払ってくれると言ったけど、割り勘にしようと言って、半分渡してお会計してもらった。


ってか、おつきあいすることになったら、普通どうなの?

相手が年上とかなら、ごちそうさまでしたっておごってもらうのもありだけど、同い年だったら?

おごるのも、おごられるのも、なんだかな~?だし、その度その度、割り勘ね!ってゆうのも、固っ苦しい感じがするし。


石中君の車で家まで送ってもらったけど、おつきあいしましょうという話にはならなかった。


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